
ドムドムバーガーが、いま静かに攻めに転じています。
じつはこのチェーン、マクドナルドより1年も早く誕生した「日本最古のハンバーガーチェーン」です。
なぜ今これが話題かというと、一度は27店舗まで激減した会社が、41カ月連続増収を達成し、2026年に出店強化へと舵を切ったからです。
私は19歳から飲食の世界に入り、居酒屋を独立開業して18年目の現役店主で大手と戦えない店の生き残り方を、ずっと考えてきました。
この記事では、ドムドムバーガーの復活と出店強化の裏側を、最新の動きとあわせて読み解いていきます。
この記事を読むと、「規模が小さくても勝てる方程式」と、個人店が真似できる発想がわかるはず。
結論は、勝てない土俵では戦わない。これがドムドム復活の核心です。

ドムドムって、マクドナルドより古いの?知らなかった・・・。

そう、元祖なんだよ。一度は絶滅危惧種なんて呼ばれた会社が、今いちばん面白い動きをしてるんだ。
- ドムドムバーガーが27店舗から復活した経緯。
- 41カ月連続増収を支えた「大手と逆張り」の戦略。
- 2026年のMBOとスガキヤ参画、出店強化の意味。
- 個人飲食店がドムドムの戦略から学べること。
ドムドムバーガーの出店強化が話題になる理由
まずは、なぜ今ドムドムバーガーの出店強化が注目されるのか?その背景から見ていきましょう。
10年ぶりの愛知出店と新体制のスタート
2026年6月、こんなニュースが飛び込んできました。
「ドムドムバーガー、10年ぶりに愛知県に出店」。
現在の店舗数はわずか29店舗ほど、数字だけ見れば地味に聞こえますが、大事なのは「なぜ今か」という文脈です。
2026年1月にMBO(経営陣が参加する買収)を実施し、新体制へ移行。この体制での出店加速フェーズが、今まさに始まろうとしています。
41カ月連続増収という驚異の成長
ドムドムバーガーは2025年8月時点で、41カ月連続で既存店売上高がプラスという成長を続けています。
ドムドムバーガーが27店舗から復活した経緯
今の好調を理解するには、どん底からの歴史を知る必要があります。
日本最古のバーガーチェーンが、なぜ絶滅危惧種と呼ばれたのか。
日本最古のバーガーチェーンが激減するまで
ドムドムハンバーガーの創業は1970年、マクドナルドの日本上陸より1年早い、まさに元祖です。
最盛期には全国約400店舗を展開、しかし親会社だったダイエーの経営悪化に巻き込まれ、急速に縮小していきます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1970年 | 創業。日本初のハンバーガーチェーン |
| 最盛期 | 全国約400店舗を展開 |
| 2017年 | 27店舗まで激減。絶滅危惧種と呼ばれる |
| 2021年〜 | 前年売上を上回る成長に転換 |
| 2026年1月 | MBO実施。新体制へ |
専業主婦から社長になった型破りな経営者
復活の立役者は、藤﨑忍社長。
その経歴は「普通の経営者」とはかけ離れています。
39歳まで専業主婦で就職経験ゼロ、アパレル店や居酒屋の経営を経て、2017年にドムドムへ非常勤で入社し、わずか9カ月後に社長へ就任しました。
経営の常識では「ありえない」人事で、この型破りな人選こそが復活の原点になりました。
業界の常識から逸脱していても、まずおいしければいいという姿勢が、新しい商品を次々に生み出します。

就職したことがない人が、9カ月で社長なんてすごい展開だね。

常識にとらわれない人だったからこそ、誰も思いつかない商品が作れたんだよ。
ドムドムバーガー復活を支えた大手と逆張りの戦略
41カ月連続増収の正体は、大手とは正反対の発想にあります。
ドムドムバーガーの3つの戦略を見ていきましょう。
SNSでバズる個性派バーガーの開発力
復活の起爆剤は「バズる+おいしい」を両立させた商品開発でした。
| 商品名 | 特徴 |
|---|---|
| 丸ごと!!カニバーガー | ソフトシェルクラブを丸ごと使用。SNSで大バズり |
| 春菊かき揚げバーガー | 4カ月の開発期間。日本食材を活用 |
| カツカレーバーガー | 銀座スイスとのコラボ |
毎月新作を発売し、50以上のヒット商品を生み出しています。
大量生産ではなく、少人数のコアメンバーによる機動的な開発が強みです。
大手が出ない場所を狙う非常識な立地戦略
マクドナルドやモスが繁華街や駅前を攻める中、ドムドムが選んだのはまったく違う立地でした。
食品スーパーのテナント、レジャー施設、地域の商店街。
こうした大手と直接ぶつからない立地が、独自の顧客層を開拓することを可能にしました。
グッズ展開で飲食店を超えたブランドへ
キャラクター「どむぞうくん」を使ったグッズ事業は、今や1,000種類以上に拡大。
グッズ売上は全体の7%超を占めるまでに成長し、グッズによる認知度向上がバーガー売上につながる好循環を生んでいます。食べに来るだけでなく、好きになってもらう。これが差別化の核です。
ドムドムバーガーのMBOとスガキヤ参画の意味
2026年の大転換が、MBOと出店強化です。
なぜこのタイミングで、誰と組んだのか。その意味を読み解きます。
MBOで経営の自由度とスピードを高めた
2026年1月16日、ドムドムフードサービスはMBOを実施しました。
レンブラント・インベストメントから自社株式を取得し、レンブラントグループから独立。出資したのはラーメンチェーン「スガキヤ」運営のスガキコシステムズ、青果仲卸のベジテック、春巻専業のスワローホールディングスの3社。筆頭株主は藤﨑忍社長個人で、社長は続投する(各社発表・日本経済新聞)。
スガキヤの多店舗ノウハウが出店を支える
特に注目すべきは、スガキヤ(スガキコシステムズ)の参画です。
スガキヤは中部地方を中心に約300店を展開する「庶民の食堂」。
藤﨑社長がMBO後に最も期待しているのが、この多店舗展開のノウハウだと語られています。
出店強化の第一弾が名古屋・大須なのも、スガキヤの地盤との連携を意識したものとみられます。
海外1号店の台湾進出も成長の布石
2025年10月には、台湾・台北の百貨店に海外1号店をオープン。
開業直後から多くの来客があり、日本の人気商品を軸に、現地オリジナルの開発も視野に入れています。
国内の出店強化と海外展開が、同時に動き始めているわけです。

足りないノウハウは、持ってる会社と組んで補う。これも立派な戦略なんだよ。

ひとりで全部やろうとしなくていいんだね。
ドムドムバーガーの戦略から個人飲食店が学べること
ドムドムの動きは、チェーンだけの話ではありません。個人店こそ学べることが詰まっています。
うちの店も「大手と真正面でぶつかっても勝てない」という前提で動いています。立地も価格も認知度も、大手には勝てない。でもドムドムが証明したのは「勝てない土俵では戦わない」という選択肢の正しさです。
勝てない土俵では戦わないという選択
「丸ごとカニバーガー」を初めて見たとき、正直「売れないだろう」と思いました。
でも実際はSNSで大バズり。
私の店でも「居酒屋らしくない」メニューを出したことがあります。
常連には「これ居酒屋メニューじゃないよ」と言われましたが、結果的にSNSで話題になり、遠方からの来客が増えました。
規模より熱量でファンをつくる発想
ドムドムが体現しているのは「常識から外れる勇気」と「規模より熱量」です。
店舗数では大手に遠く及ばなくても、ファンを作れば存在感は出せる。小さな店ほど、好きになってもらう工夫が武器になります。
まとめ|ドムドムバーガーの出店強化が示すもの
ドムドムバーガーの出店強化は、単なる店舗数増加の話ではありません。
小さなブランドが勝てる方程式を証明してきた会社が、次のフェーズに進む宣言です。
ドムドムバーガーの復活は、大手と戦わず、話題性と熱量でファンを作った結果。MBOで自由度を高め、足りないノウハウは仲間と補う。規模に関係なく、すべての飲食店が学べる教科書です。
| 復活の方程式 | 内容 |
|---|---|
| 土俵を選ぶ | 大手と同じ立地・価格で戦わない |
| ファンを作る | 話題性と品質を両立した商品で惹きつける |
| ブランドを育てる | グッズ・コンテンツで認知を広げる |
| 仲間と組む | MBOで足りないノウハウを補い加速する |
大手の動向ばかり気にしがちな外食業界に向けて、ドムドムは「小さな会社の大きな勝算」を証明し続けています。
自店の差別化や商品開発のヒントが欲しい人は、飲食店向けのブランディング本やSNS集客の入門書を一度手に取ってみるのもおすすめ。「誰に好きになってもらうか」が言葉にできると、メニュー作りが変わります。

小さくても、戦い方次第で勝てる。今日も同じ飲食の世界でがんばっていきましょう!


