はじめまして反撃のたぬきです

離婚の申し出。「そんなつもりなかった」だと?

「……離婚したいと思ってる」 その言葉を出した瞬間、相手は一瞬きょとんとして、次に、少しだけ眉を寄せて、「え? そんなつもりなかった」と言った。 ——驚いたのは、私の方だった。 もうとっくに、終わっていたと思ってた。少な...
離婚を決意するまでの経緯

人生の主人公に戻る。終

家庭内別居3年。 言葉も目線も交わさず、ただ同じ屋根の下にいただけの日々。 やがて家に帰らなくなった。 職場のソファーは硬くて体が痛む。寝返りもうてない。 背中の痛みで目覚めることもあった。 それでも、“家にいるよりマシ”だった。 あの”物置部屋” そこには、布団とわずかな衣服があるだけ。 クーラーは無い、唯一の扇風機は、ある日気づいたら持っていかれていた。 理由は——聞こうと思えば聞けたのかもしれない。 でも、もう無理だった。
離婚を決意するまでの経緯

社会からの評価を下された一ヵ月⑥

お世話になっております」何百回、頭を下げただろう。 汗ばむ手で名刺を渡して、 「なんとかお願いできませんか」って言葉を繰り返す毎日だった。 飲食店をやっているだけじゃ、 誰も、金なんか貸してくれない。 あの日、私は“ただの人”になった。
離婚を決意するまでの経緯

テナントの立ち退き通告⑤

突然は必然にやってくる ランチ営業目に在庫確認をしていた。 いつものように、淡々と。 仕込みも終わって開店準備も整った。 そんな“なんでもない日”。 一本の電話が鳴った。 それが、すべての始まりだった。 「すみませんが…契約、解除させていただきたいんです」 「三か月後には退去をお願いします」 相手の声はどこか他人事で、冷たかった。 「え、どういう意味ですか?」 言葉に詰まった。頭が真っ白になる。 理由を尋ねても、返ってきたのはひと言だけ。 「大家さんの都合で、です」 売上はそこそこ出ていた。 近隣と揉めたこともない。 騒音も、苦情も、問題は何もなかった。
離婚を決意するまでの経緯

人格の変化④

昔の私は、よく笑う人間だった。 初対面の人ともすぐに打ち解けて、気づけば昔からの友人みたいに話していた。 店でも、家でも、どこでも、誰とでも。 人見知りの人にはこっちから距離を縮めて、 無口な人には、無口なままいられる空気を用意して。 話すことも、黙ることも、どっちも好きだった。 だから、接客業を選んだ。 人と関わることが、楽しくて仕方なかった。 少なくとも、あの頃までは──
離婚を決意するまでの経緯

物置で暮らす生活③

仕事終わり、日付が変わった夜道を、 ガラガラの自転車で走ってた。 職場から家までは30分ほど。 でもあの頃の私には、 果てしなく遠くに感じた。 “ふつう”なら、家って 帰ればホッとする場所じゃないですか。 でもあの頃の私は、
離婚を決意するまでの経緯

”父親らしさ”ってだれ基準?②

「“父親らしさ”の正解なんて、最初からなかった。」 完璧じゃなかった。 でも、ちゃんと向き合ってたつもりだった。 それが伝わらなかったとき、 私の中で何かが、音を立ててズレ始めた。 「もっと父親らしくできないの?」 怒鳴り声じゃなかったけど、 その一言は、沈黙に包まれてナイフみたいに刺さった。 子どもの前で言われた、それが一番痛かった。
はじめまして反撃のたぬきです

「別人のふりをして生きた時期」ありますか?①

「誰かのふりして生きてた時期」って、ありますか? 私は、あります。 というか正確には、 “ふり”じゃなくて、“なってしまった”です。 本当の自分がどこかに消えて、
タイトルとURLをコピーしました