

常連さんが最近来なくなった気がしてるんだけど、何かまずいことしたかな?。

悪いことをしたんじゃなくて、「何もしなかった」から離れていく、リピーターは待つんじゃなく獲得するんだよ。
「新規のお客さんは来るのに、2回目につながらない」
こういった悩みを抱えている飲食店オーナーは、実は多いです。
じつは、新規客を1人獲得するコストは、リピーター客に来てもらうコストの5倍かかると言われています。
リピーターが増えるほど、広告費をかけずに売上が安定していく。
なぜなら、一度信頼関係を築いたお客さんは、集客コストゼロで繰り返し来店してくれるからです。
私は19歳から飲食の世界に入り、居酒屋を独立開業して18年目の現役店主です。
正直に言いますが、リピーターを増やすのに「特別な施策」は必要ありません。
むしろ、間違った施策をやめることのほうが、ずっと大事だったりします。
この記事では、実際に私がお店で18年実践してきたリピーター獲得の方法を7つ、声がけ例・LINE活用・NG施策まで具体的にお伝えします。
結論からいえば、リピーターは「仕組み」より「記憶」で生まれます。
・常連客がなぜ来なくなるのか、その本当の理由(データあり)。
・初回から3回来店までのシナリオ設計。
・帰り際に「次来る理由」を仕込む具体的な声がけ例。
・LINE公式・SNS・Googleを使った来店後の接点維持。
・やってはいけないNG施策3つ。
新規客獲得コストは5倍というデータが示す現実

まず数字で現実を確認しておきましょう。
「なんとなく新規集客に力を入れてきた」という方ほど、この数字を見ると経営戦略が変わります。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 居酒屋のリピート率の目安 | 30〜40%(ぐるなびリサーチより) |
| 3回来店した客が4回目も来る確率 | 約70% |
| 常連客(月2回以上)が売上を支える割合 | 60〜70%の店も珍しくない |
| 新規客獲得コスト | リピーター来店コストの約5倍 |
10人来たお客さんのうち3〜4人をリピーターにできれば、売上の土台が安定してきます。
新規集客を増やすより、今来てくれているお客さんをもう一度呼ぶほうが、コストも体力も少なくて済む。
この事実を頭に入れたうえで、次のセクションに進んでください。
理由の68%は「不満なし」という衝撃の調査結果

リピーターを増やす施策の前に、まずここを理解しておかないと的外れな対策になります。
常連客が来なくなる理由、あなたはどう思いますか。
| 順位 | 理由 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 特に不満はないが、なんとなく足が遠のいた | 約68% |
| 2位 | 接客に不満を感じた | 約14% |
| 3位 | 引っ越し・転職などライフスタイルの変化 | 約11% |
一番多いのが「不満があったわけじゃないけど、来なくなった」。
これが意味するのは、「悪いことをしなければリピートする」ではなく、「何もしなければ自然に離れていく」ということです。
お客さんは来なくなっても、わざわざお店に言いに来ません。
スーッと消えるように離れていく。

「なんとなく来なくなる」って、こっちが何か悪いことをしたわけじゃないんですよね?

そう。これが一番怖いんよ。クレームが来たなら対処できるけど、「なんとなく」は気づかないうちに常連を失っていくんだ。
だからこそ、能動的にリピートを促す仕組みを作ることが必要になります。
飲食店でリピーターを増やす7つの方法

どれも特別なツールは必要ありません。
今日から始められることばかりなので、順番に見ていきましょう。
名前と好みを覚えるだけで再来店率が上がる
「覚えてくれた」はポイントカード10枚分の価値があります。
リピーターを作る最初の一歩は、お客さんに「自分のことを知ってくれている」と感じてもらうことです。
【今日から実践できる具体的な行動】
・ドアが開いた瞬間に「いらっしゃいませ」を言う(できていない店が意外と多い)。
・2回目以降は「どうも、こんばんは」など声のトーンと言葉を変える。
・好みの席・料理・お酒を把握して、さりげなく言葉にする。
・好みのお酒・苦手な食材をメモ帳やPOSに記録しておく。
たとえば、2回目に来店したとき「〇〇さん、前回ハイボールでしたね。今日もそれにしますか?」と聞けたら、そのお客さんは高確率で3回目も来ます。
これが「覚えてくれてた」という体験は、ポイントカード10枚分の価値になります。

入口が開いた瞬間に「いらっしゃいませ」を言うこと。2回目以降のお客さんには「どうも、こんばんは」と声のトーンと言葉を変える。それだけで「覚えてくれてる」って伝わる。好きな席・苦手な食材・よく飲むお酒を自然に覚えていって、さりげなく言葉にすることが常連を作る一番の近道だよ。
初回から3回来店までのシナリオを設計する
3回来店したお客さんが4回目も来る確率は約70%です。
逆に言えば、1〜2回で終わるかどうかが勝負です。
| 来店回数 | 目標 | やること |
|---|---|---|
| 1回目 | 「また来たい」と思わせる | 料理・接客で印象を残す。帰り際に「またぜひ」+αの一言 |
| 2回目 | 「覚えてくれてる」を感じさせる | 名前・注文を覚えていることを自然にアピール |
| 3回目 | 「常連扱い」する | 「〇〇さんの定番コースにしますか?」など特別感を演出 |
1回目はほぼ「料理と雰囲気」で決まります。
2回目で「覚えてもらえた」と感じたら、3回目はほぼ来る。
3回目で「常連扱い」をされたら、そのお客さんはもうあなたのお店の人間です。
帰り際の「一言」がリピートを決める5つのポイント
リピートを促す最大のチャンスは、お客さんが帰る瞬間です。
人間は最後の体験が最も記憶に残ります。
会計が終わった後の「一言」が、次の来店につながります。
私はお帰りのお客さんを必ず出口まで見送り、そこで一言声をかけます。
レジで「ありがとうございました」で終わるのではなく、ドアの外まで一緒に出て見送る。
この「最後の5秒」が次回来店を左右することを、18年の現場で実感しています。
【実際に使える声がけ例5つ】
・「来週、〇〇産の鱧が入る予定なんですよ。よかったらまた来てください」。
・「〇〇さん、牡蠣好きでしたよね。今月末から牡蠣フェア始まりますよ」。
・「今日のあの料理、次回はアレンジバージョン作ってみますね」。
・「来月、産地直送の〇〇が入荷する予定です。ぜひまた来てください」。
・「〇〇さんが好きそうな限定メニュー、来週出しますよ」。
ポイントは「その人に刺さる次来る理由」を作ることです。
全員に「またどうぞ〜」と言うのではなく、その人の好みに合わせた一言を。

うちは産直の魚がメインなんだけど、これが「次来る理由」として本当に使いやすい。「来週、〇〇の産地から直接仕入れる予定なので、よかったらまた来てください」——この一言で「次のお楽しみ」ができる。自分のお店だけのネタがあれば、それが最強の武器になるよ。
飲食店のLINE公式活用でリピート率を上げる方法
一度来てくれたお客さんとの「来店後のつながり」を持つ手段として、LINE公式アカウントが最もコスパが高いです。
Instagramのフォロワーは流れてしまいますが、LINEは読まれる確率が段違いです。
【LINE公式アカウント運用のポイント】
・来店時に「よかったらLINEの友達登録してください。旬のネタ情報流してます」と声がけ。
・週1〜月2回程度の発信でOK(しつこくしない)。
・「今日のおすすめ」「今月の限定メニュー」などの情報を短く伝える。
注意点は「割引クーポン目当て」の客を集めないことです。
「登録で〇〇円引き」のような入口にすると、割引目的のお客さんばかり集まり、常連化しません。
LINEで意識するのは「情報を送る→来たいと思ってもらう」ではなく、「このお店のことが気になり続ける状態を維持する」ことです。
個人店だからできる「特別扱い」の本質
ポイントカードより、「わかってくれている」感のほうがリピートへの効果が圧倒的に強いです。
「特別扱い」とは何か。
私の答えはシンプルで、「お客さんの雰囲気を読んで、察すること」です。
静かな席がいい人、カウンターで話したい人など、見ていれば大体わかります。
オーダーのペースが速い人は急いでいる、ゆっくり飲んでいる人は時間を楽しみたい。
名前で呼べる距離感なら呼ぶ。
でも適度な距離を保ちたい人もいる、それも察する。
「静かな席に案内してくれた」「混んでいるのに急かされなかった」
お客さんはそういうことを、何年も覚えています。

それって、スタッフに教えるのが難しそうだね。

だから個人店の強みでもある。小さいお店だからこそ。そこに勝ちがあるんだよ。
クレームを言った客がリピーターになりやすい理由
これは意外な真実です。
クレームを言ったお客さんが、その後の対応次第で熱烈なファンになる確率が高い。
これをマーケティング用語で「サービス・リカバリー・パラドックス」と言います。
不満を言えた=このお店を信頼している証拠。
そこで誠実な対応をされたら、「このお店は信頼できる」という確信になります。
【クレーム対応でやるべき3ステップ】
①「ご意見ありがとうございます」と素直に受け取る。
②言い訳をしない。まず謝る。
③次回来店時に「先日のご指摘、こう改善しました」と必ず伝える。
不満を言えない空気のお店は、黙って去られるだけです。
お客さんが話しかけやすい雰囲気を作ること自体が、リピーター対策になります。
SNS・Googleマップを使って来店後も縁を切らさない
来店してくれたお客さんが帰った後も、SNSやGoogleを通じて「あのお店」を思い出す機会を作ります。
これは特に、たまにしか来られないお客さんに有効です。
【SNS・Google活用の具体的な行動】
・Instagramで「今日の仕込み」「旬の食材の入荷情報」を週2〜3回投稿。
・GoogleマップにQRコードを置いて「ぜひ口コミ書いてください」と声がけ。
・口コミへの返信を必ずする(「〇〇さん、またお待ちしてます!」の一言が効果的)。
SNSは「フォロワーを増やすツール」より、「一度来てくれた人との縁を切らさないツール」として使うのが、個人店には合っています。
リピーターが増えない飲食店がやりがちなNG施策3つ

リピーターを増やそうとして逆効果になる施策があります。
心当たりがないかどうか、確認してみてください。
ポイントカードで「スタンプ集め目的」の客を集めてしまう
ポイント目当てのお客さんは、カードが完成したら来なくなります。
「お得感」で来たお客さんは、「お得感がなくなれば去る。」
ポイントカードを否定するわけではありませんが、それだけに頼るのは危険です。
SNSで「来てください」「キャンペーンです」だけ発信し続ける
宣伝ばかりのアカウントはフォロー解除されます。
まず「価値のある情報」を届けることが先です。
「今日入荷した〇〇の産地情報」「まかない飯の裏話」など、お店のリアルを見せるほうがよっぽど効果的です。
常連さんに馴れ馴れしくなりすぎて距離感を間違える
「常連扱い」は歓迎されますが、「馴れ馴れしさ」は不快感を生みます。
常連さんにも礼儀と敬意を忘れないこと。
距離が縮まったからこそ、丁寧に接することが長い関係を作ります。
まとめ 飲食店のリピーターは仕組みより「記憶」で生まれる

7つの方法を一覧で確認できます。
| 方法 | 核心 | 今日できること |
|---|---|---|
| ①名前と好みを覚える | 「居場所」になる第一歩 | 2回目のお客さんに注文を先読みして声がけ |
| ②初回〜3回のシナリオを意識する | 3回来たら常連確定 | 来店回数別に接し方を変える |
| ③帰り際に「次来る理由」を仕込む | 最後の記憶に残す | 出口まで見送って一言声がけ |
| ④LINE公式で継続接点を持つ | 来店後もつながり続ける | QRコードを卓上に置く |
| ⑤常連だけの特別扱いを作る | 「察する」がチェーンに勝る | 今日から雰囲気を読む練習を |
| ⑥クレームを言えた客を大切にする | クレームは常連への入り口 | 次回来店時に改善を報告する |
| ⑦SNS・Googleで接点を維持する | 縁を切らさないツールとして使う | 口コミへの返信を今日中にする |
どれも「特別なツール」は必要ありません。
「お客さんのことを覚えて、次来る理由を作る」
この繰り返しが、リピーターを増やす本質です。
ポイントカードより、「また来たいな」と思わせる一言のほうがずっと強い。
帰り際に出口まで見送って声をかける。
産直の魚の入荷情報を伝える。
2回目のお客さんには「どうも、こんばんは」と声のトーンを変える。
どれも、お金も道具も要らないことです。

「覚えている」「大切にしている」をどう伝えるか。それだけなんだよね。

施策じゃなくて、記憶なんだね。今日から帰り際の声がけ、がんばるぞ!
今日も同じ飲食の世界でがんばっていきましょう!





