飲食店のFLコスト管理!月商190万円の実績データで原価・人件費・家賃の適正比率を解説

はな
はな

売り上げはあるのに、なぜかお金が残らないんだよね。

たかし
たかし

それ、FLコストのバランスが崩れているサインだよ。

「売り上げはあるのに、なぜか利益が残らない…。」

料理も接客も力を入れ、集客も順調で評判も悪くない。

なのに月末になると残っているのはわずかな利益か、ときにはギリギリの赤字。

個人で飲食店を始めた人に多い悩みの一つが、経費構造を理解していないことから生まれる問題です。

飲食店はFLR(原価・人件費・家賃)という3つの大きな経費で成り立っています。

このバランスが少し崩れるだけで、どれだけ忙しく立ち回っても利益はほとんど残りません。

私は19歳で飲食業界に入り、現在は15坪25席の居酒屋を18年間経営しています。

月商180〜200万円のレンジで安定し、家賃比率9〜10%・原価33%・人件費17〜18%で経営を続けてきました。

この記事では、飲食店のFLコスト管理の基本から実際の経費データ、自分の店に当てはめる方法まで現場18年の経験をもとに解説します。

この記事を読んでわかること

・飲食店の経費の正しい比率とFLRの役割
・個人店が失敗しやすい落とし穴
・実際の店舗データとの比較と自分の店への当てはめ方

個人店を安定して続けるには「FLRの最適バランスを守ること」が最重要です。



飲食店の経費はFLR+その他経費で構成されている

飲食店の経費はFLR=原価(Food)・人件費(Labor)・家賃(Rent)を中心に構成されます。

居酒屋での一般的な目安は以下の通りです。

項目内容適正値ポイント
F(Food:原材料費)食材・飲料・調味料など28〜35%仕込み量調整・廃棄ロス削減が鍵
L(Labor:人件費)スタッフ給与・社保・交通費25〜30%動線効率化で適正人数で回す
R(Rent:家賃)賃料・共益費・管理費10%以内坪単価1〜1.5万以内の物件を推奨

この3つだけで売上の70〜80%の経費を占めます。

たかし
たかし

FLRが崩れた瞬間に、利益はほぼゼロになるよ。これだけ覚えておいてほしい。

はな
はな

逆に言えば、この3つを管理すれば経営は安定するってこと?

たかし
たかし

そう。残りの光熱費や消耗品は、FLRが安定してからコツコツ削ればいい。

見落としやすいFLR以外の経費

多くの個人飲食店がつまずくのは、家賃・人件費・原価にばかり気を取られ、その他の経費を甘く見てしまうことです。

静かに積み上がる”小さな経費”が、利益を削っているケースも非常に多いです。

見落としやすい経費一覧
経費項目目安よくある落とし穴
水道光熱費売上の4〜8%売上が落ちても下がらない
消耗品売上の1〜3%売上に連動して地味に増加する
通信費5,000〜15,000円無駄な固定回線を放置している
広告費0〜5%固定費化すると年間30〜60万円
修繕費(積立)月1〜2万円推奨想定外のタイミングで一気に支出
消費税売上の約10%利益と混同して使い込む
はな
はな

消費税って利益じゃないの?つい使いそうになりそうだけど…。

たかし
たかし

これが一番危険な勘違い!売上100万円でも10万円は最初からお国に預かってるお金。毎月別口座に移して絶対触らないようにしてるよ。

固定費は年に1回見直すだけで利益が増える、最も簡単に改善できる経費です。

通信費・保険料・広告費は特に放置しがちなので、定期チェックの習慣をつけましょう。

私の店(15坪25席)の実際の経費構成

これは私の店舗で実際に月商190万円(180〜200万円の平均)を売り上げたときの経費構成です。

数字はすべてリアルな運営実績に基づいています。

月商190万円の経費構成(実績)
項目金額売上比率
売上高1,900,000円100%
原価(F)627,000円33.0%
粗利益1,273,000円67.0%
人件費(L)315,000円16.6%
家賃(R)180,000円9.5%
光熱費34,200円1.8%
消耗品26,600円1.4%
通信費6,000円0.3%
修繕積立20,000円1.1%
雑費43,700円2.3%
税理士費用32,000円1.7%
社会保険料30,000円1.6%
営業利益585500円30.8%
はな
はな

月商190万で約58万の利益!ちゃんと残るんだね。

たかし
たかし

FLRをちゃんと管理してるからね。原価33%・人件費17.7%・家賃9.5%。このバランスを18年守ってきた結果だよ。

大切なのは、同じ売上でも経費比率の管理ができているかどうかで手元に残る金額が大きく変わるということです。

月商190万円という数字は、繁忙期と閑散期を平均した現実的なラインです。この水準でも適切なFLR管理ができていれば、月50万円以上の利益を安定して出すことができます。

大繁盛店を目指さなくても、数字の管理だけで経営は十分に成り立ちます。

F(原価)の正しい考え方|個人店の”最難関ポイント”

原価率の目安は28〜35%

業態によって変わりますが、個人の居酒屋・定食業態なら28〜35%が現実的なラインです。

ランチ定食主体なら30〜38%と高い傾向、鮮魚・高級素材中心なら35%前後になることもあります

月商190万円のモデルで原価33%を維持すると、食材費は約63万円になります。

この数字を毎月把握しているかどうかが、経営の安定度に直結します。

個人店にとって最大の敵は”ロス”

大箱チェーンとの最大の違いは、「ロスが利益に直撃する」点です。

・仕込みすぎれば廃棄
・在庫を抱えすぎても廃棄
・旬を外せば廃棄

だからこそ個人店では「仕込み量の最適化」が原価管理の核心になります。

たかし
たかし

原価を下げるより「ロスをなくす」ほうが先。うちは日替わりメニューと鮮魚のグラム管理で33%を守ってるよ。

はな
はな

ロスが出そうな食材をその日のうちにメニュー化するのも大事だよね。

私の店で18年間原価33%を維持できた取り組みをまとめると、

・基本は日替わりメニューで在庫をゼロに近づける。
・仕入れは鮮魚中心で”状態の良いものだけ”買う。
・刺身のグラム・歩留まりを毎日確認する。
・ロスが出そうな食材は即メニュー化する。

この4つを徹底することで、原価33%を18年間維持してきました。

特に意識していることが「仕入れた日にどう使い切るか」を考えてから仕入れることです。

鮮魚は当日仕入れ・当日提供を基本とし、余剰が出そうな場合は昼の段階でその日の日替わりに組み込みます。

仕入れてから考えるのではなく、使い方を決めてから仕入れる

この順番を変えるだけで廃棄は劇的に減ります。

また原価率を下げようとして安い食材に切り替えると、料理のクオリティが落ちてリピーターが減るという悪循環に陥りやすいです。

原価は「削る」のではなく「ロスをなくして適正に保つ」という発想が重要です。

L(人件費)|個人店にとって最も重い”変動リスク”

適正値は20〜30%(オーナーを除く)

これを超えると黒字化が難しくなります。

特に開業初期は人件費が予算を圧迫しやすいため、スタッフ構成の設計が重要です。

開業初期は「最少人数」が鉄則

たかし
たかし

うちは開業時、自分+バイト1名だけで始めた。15坪25席なら十分回せるよ。

はな
はな

最初から人を増やしすぎると、人件費で首が回らなくなるもんね。

混む曜日・時間帯のパターンが見えてきてから増員すれば十分です。

これにより開業初期の運転資金を守れます。

実際の人件費データ(月商190万円時)
スタッフ勤務時間勤務日数月間労働時間時給月給
1人目16:30〜23:30(7h)週6日182h1,250円227,500円
2人目18:00〜22:00(4h)週4日70h1,250円87,500円
合計252h315,000円(16.6%)

月商190万円時の人件費率は約17%で安定しています。

15坪は「少人数オペレーション」と相性が抜群で、個人店の利益構造に最も合っている規模です。

開業から1年間は来客パターンが読めないため、スタッフを増やすのは慎重に。

忘年会・歓送迎会シーズンを1度経験してから、繁忙期の人員計画を立てるのが現実的です。

シフトは「感覚」ではなく日報の来客データをもとに組むことで、無駄な人件費を防いでいます。

R(家賃)|飲食店で”絶対に下げられない固定費”

家賃は「売上の10%以内」が鉄則

家賃比率が10%を超えると、月商が少し落ちただけで一気に利益が消えます。

物件を決める前に「売上の10倍以上の月商が見込めるか」を必ず確認してください。

私の店の家賃は18万円固定です。月商190万円時の家賃比率は9.5%と10%に近い水準になりますが、売上が200万円を超えると比率は9.0%に下がり、精神的な余裕が大きく変わります。

家賃は固定費なので、売上が上がるほど比率は自動的に改善されます。

はな
はな

家賃だけは一度契約したら下げられないから、慎重に選ばないとね。

たかし
たかし

そ家賃は”経営の土台”だよ。ここを間違えると、どんなに頑張っても利益が出ない構造になる。

坪売上(坪月商)で繁盛度がわかる

坪月商目安15坪換算
坪10万円最低ライン月商150万円
坪13万円安定ライン月商195万円(私の店に近い)
坪20万円優良店月商300万円
坪30万円繁盛店月商450万円

私の店は月商190万円で坪月商約12.7万円です

繁盛店ではありませんが、FLRを管理することで安定した利益を18年間出し続けています。

大繁盛しなくても経営は成り立ちます。これが個人店の最大の強みです。

私の店の家賃実績:家賃18万円・家賃比率9〜10%・月商180〜200万円
物件選びの際は「想定売上÷10=家賃の上限」という逆算で考えることが鉄則です。


FLコストを自分の店に当てはめる方法

理屈を理解したら、次は自分の店の数字と照らし合わせることが重要です。

 月次の5項目を毎月記録する

まず以下の5つを毎月書き出してください。難しい会計知識は不要です。

①売上高 ②食材・飲料の仕入れ合計(原価) ③人件費合計 ④家賃 ⑤光熱費・その他経費

この5つが揃えば、FLR比率と営業利益が自動的に計算できます。

FLR比率を計算して適正値と比べる

計算式はシンプルです。

原価率=食材費÷売上×100
人件費率=人件費÷売上×100
家賃比率=家賃÷売上×100
FL比率=(原価+人件費)÷売上×100 → 目標60%以内

たかし
たかし

数字が分かれば、経営の”怖さ”が半分になるよ。

異常値が出たら原因を特定する

先月より原価率が2%上がった月は、必ず原因があります。早期発見できれば翌月には改善できます。

私はGoogleスプレッドシートで日次データを積み上げ、月末に自動集計される仕組みを作っています

特別なツールは不要で、Excelや手書きの帳簿でも十分です。

はな
はな

経費って難しそうだけど、仕組みさえ分かれば大丈夫なんだね。

まとめ|経費構造を理解すれば、個人店は必ず強くなる

飲食店経営で最初に身につけるべきは、料理でも接客でもなく「経費の構造を理解すること」です。

この記事で理解できたこと
項目ポイント
FLRの役割売上の70〜80%を占める経費の中核
原価(F)28〜35%が適正・ロス削減が最大の武器
人件費(L)「最小人数」で始め状況に応じて増員する
家賃(R)売上の10%以内が絶対鉄則
月商190万円の実績FLR管理で月約56万円の利益を確保

私が18年間で実感してきたのは、経営が苦しいときほど「売上を上げなければ」と考えがちですが、実際に改善が早いのは経費の見直しです。

売上を10万円増やすのは大変ですが、無駄な経費を月5万円削減することは今日から着手できます。

たかし
たかし

18年間続けられたのは、料理でも宣伝でもなく、まず「経費のバランス」を守ってきたからだよ。

はな
はな

数字を見るのが苦手でも、FLRの3つだけ意識すれば大丈夫ってことだね。

FLR比率を月1回確認する習慣をつけるだけで、経営の見え方は大きく変わります。

数字は正直で、改善すれば必ず結果に出てきます。焦らずコツコツと、自分のペースで取り組んでいきましょう。

あなたの店が長く続くための力になれたら嬉しいです。今日も同じ飲食の世界で、一緒にがんばりましょう!




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