

開業の準備って、物件とメニューだけじゃないんだよね?

行政への届け出を知らずに動き出すと、開業日が確実にずれるよ。
「お店をオープンしたい!」と夢に向かって動き出したとき、物件探しやメニュー開発に気持ちが向きがちです。
しかし実際の開業では、保健所・消防署・警察署・税務署への届け出という、地味だけど絶対に外せない手続きが山ほど待っています。
私自身、開業準備を進める中で「こんな届け出があったのか」「この締め切り、全然知らなかった」と焦った経験が何度もありました。
この記事では、飲食店開業に必要な許可・届け出を8つにまとめて解説します。
開業前のチェックリストとして活用してください。
・飲食店開業に必要な8つの届け出と提出先
・それぞれの期限と注意点
・居抜き物件でも手続きはゼロからやり直す理由
飲食店開業 営業許可が必要な業態と更新が必要な理由

飲食店を開業するには、原則として保健所から「飲食店営業許可証」を取得する義務があります。
厚生労働省の食品衛生に関する法令により、食品の調理を行い客に飲食をさせる営業を行う場合は許可が必要です。
食堂・料理店 / うどん・そば屋 / 寿司屋 / 弁当・惣菜屋 / レストラン / カフェ / 居酒屋・バー / 喫茶店
許可なしでは開業できません。
また「1度取得したら終わり」ではなく、定期的な更新が必要な点も覚えておいてください。

更新が必要なんだ。期限を忘れそうで怖いね。

許可証には有効期限が記載されているから、カレンダーに更新の目安を入れておくといいよ。
飲食店開業に必要な8つの届け出と手続き
業態や提供するものによって必要な届け出が異なります。
提出先は自治体によって異なる場合があるため、詳細は必ず各自治体に確認してください。
飲食店営業許可申請書 開業前に最初に動く必須の手続き
開業で最初に取り組むべき、最重要の手続きです。
人が口にする食品を扱う以上、すべての飲食店に必須の届け出です。
申請は管轄の保健所に行い、施設が食品衛生法の基準を満たしているかを検査してもらいます。
詳細は厚生労働省の食品衛生ページでも確認できます。
ポイント:物件の内装工事が完了し、厨房設備が整った段階で申請する。保健所の検査は事前予約が必要で、繁忙期は数週間待ちになることもあります。
食品衛生責任者の設置 1日の講習でOK
飲食店では、1店舗につき1名の食品衛生責任者の配置が義務付けられています。
調理師免許・栄養士資格を持っていればそのままなれますが、資格がない場合でも各都道府県の食品衛生協会が開催する講習会(1日)を受講するだけで取得できます。
講習会の日程や申込方法は公益社団法人 日本食品衛生協会のサイトから確認してください。

僕が受けた講習は1日約6時間で費用は1万円前後。難しい試験はなくて、受講するだけで取れたよ。

意外と取りやすいんだね。でも人気日程はすぐ埋まるから早めに動かないとね。
開業スケジュールに合わせて早めに申し込むことが大切です。
なお食品衛生責任者は店舗に1名いれば良く、オーナー自身が取得するケースが最も多いです。
費用と時間のハードルが低い割に開業の必須条件なので、優先度は最上位です。
防火管理者の選任届 収容人数30人超の店舗は消防署への届け出が必須
収容人数が30人を超える店舗が対象になります。
延べ床面積によって必要な資格が異なりますが、詳細は総務省消防庁または管轄の消防署で確認してください。
| 延べ床面積 | 必要な資格 |
|---|---|
| 300㎡以上 | 甲種防火管理者 |
| 300㎡未満 | 乙種防火管理者または甲種防火管理者 |
※延べ床面積=全フロアの床面積合計(壁または柱に囲まれた部分)
小規模なカフェや小料理屋であれば対象外のことが多いです。
居抜き物件では前テナントの時代に手続きがされている場合もあるため、事前確認が重要です。
火を使用する設備等の設置届 ガス厨房の容量を要確認
飲食店でガスコンロ・フライヤーなどの加熱調理機器を設置する場合、消防法および各自治体の火災予防条例に基づき、消防署への届け出が必要になることがあります。
対象となる主な設備はガスコンロ・ガスレンジ・フライヤー・グリラー・一定出力以上の電気調理機器(IH含む)です。
「合計出力が〇〇kW以上」といった具体的な数値基準は自治体ごとに異なるため、IHコンロのみの場合や調理を行わないカフェであっても届け出が必要なケースがあります。
自店舗が該当するかどうかは、管轄の消防署または厨房機器業者に必ず開業前に確認してください。
防火対象物使用開始届 開業7日前までに必ず提出
建物や建物の一部を新たに使用し始める場合に必要な届け出です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 建物・その一部を新たに使用し始める者 |
| 提出期限 | 使用開始の7日前まで |
| 提出先 | 管轄の消防署 |
使用開始の7日前までという期限は厳守です。
開業時だけでなく、間仕切りや内装を変更する場合も再提出が必要になることがあります。

内装を変えたときも再提出が必要なのか。リフォームの計画があるときも忘れないようにしないと。
労災保険の加入手続き アルバイトでも雇用翌日から10日以内に必須
従業員を1人でも雇う場合に必要です。
正社員だけでなく、アルバイトであっても必須です。詳細は厚生労働省の労働者災害補償保険ページで確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 従業員を雇う場合(雇用形態問わず) |
| 提出期限 | 雇用日の翌日から10日以内 |
| 提出先 | 労働基準監督署 |

「アルバイトだから大丈夫」という勘違いが多い。雇用形態に関わらず加入義務があるから注意してほしい。
採用が決まったらすぐに手続きを開始するクセをつけましょう。
雇用保険の加入手続き 週20時間以上のスタッフは10日以内に届け出
一定条件を満たす従業員を雇う場合に必要です。
詳細はハローワーク 雇用保険ガイドで確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 週20時間以上かつ31日以上継続雇用する従業員 |
| 提出期限 | 雇用日の翌日から10日以内 |
| 提出先 | 公共職業安定所(ハローワーク) |
私の店では開業当初からアルバイトを1名雇っていたため、雇用開始と同時にハローワークへ走りました。
「試用期間中だから」という理由は法律上通じないため、雇用した時点で手続きが必要です。
週20時間未満のシフト制アルバイトは対象外となる場合がありますが、シフトが不定期な場合は事前にハローワークに確認しておくのが安全です。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 0時以降営業は必須
居酒屋やバーなど、深夜0時以降もお酒を提供しながら営業する場合に必要な届け出です。
根拠法令は警察庁の風俗営業等に関するページで確認できます。
・午後5時〜午後11時までの営業でお酒を提供する分には届け出不要
・深夜0時(午前0時)以降も営業する場合に届け出が必要
・提出先:所轄の警察署

深夜営業って警察への届け出も必要なんだね。知らなかったら絶対やってなかった。

夜型の業態を考えているなら、開業スケジュールに余裕を持って手続きしておくべきだよ。
開業前に確認 飲食店の届け出チェックリスト8項目一覧

8つの届け出をまとめた一覧です。
自分の店舗に該当するものを確認してください。
| 届け出・手続き | 提出先 | 必要なケース |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可申請書 | 保健所 | 全店舗必須 |
| 食品衛生責任者の設置 | 保健所 | 全店舗必須 |
| 防火管理者の選任届 | 消防署 | 収容人数30人超 |
| 火を使用する設備等の設置届 | 消防署 | 厨房350KW以上 |
| 防火対象物使用開始届 | 消防署 | 建物使用開始時(7日前まで) |
| 労災保険の加入手続き | 労働基準監督署 | 従業員を雇う場合 |
| 雇用保険の加入手続き | ハローワーク | 週20h・31日以上雇用 |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届 | 警察署 | 深夜0時以降も営業 |
※上記は一般的な届け出の目安です。詳細は必ず各自治体の窓口でご確認ください。
物件契約から逆算する 飲食店開業の届け出スケジュールの正しい組み方
届け出の中身を知ることと同じくらい重要なのが、スケジュール管理です。
私が開業準備のときに痛感したのは「手続きは全部、思ったより時間がかかる」という現実です。
開業3ヶ月前から動き始める 保健所検査は繁忙期で2〜3週間待ちになる
最も時間がかかるのが保健所の営業許可申請です。
内装工事が完了してから検査予約を入れようとすると、繁忙期は2〜3週間待ちになることもあります。
物件契約が決まった段階で保健所に相談し、検査の大まかなスケジュールを確認しておくことが最短ルートです。
開業日から逆算した手続きの目安:
・開業3ヶ月前:保健所への事前相談・食品衛生責任者の講習申込。
・開業2ヶ月前:消防署への使用開始届の確認・防火管理者の手続き。
・開業1ヶ月前:工事完了後の保健所検査申請。
・従業員雇用が決まり次第:労災・雇用保険の手続き(10日以内)。
居抜き物件でも営業許可は引き継げない 必ず経営者ごと申請が必要
居抜き物件を選んだ場合、前のテナントが取得していた営業許可はそのまま引き継げません。
営業許可は店舗ごと・経営者ごとに取り直しが必要です。
内装が残っていてもゼロから手続きが必要な点を見落とすと、開業日が大幅にずれ込む原因になります。

居抜きで開業した知人が「前の店の許可が使えると思ってた」と後から焦ってたよ。絶対に事前確認しておいて。
開業届と青色申告承認申請書 最大65万円の控除を取り逃さない
行政手続きに加えて、個人事業主として開業する場合は税務署への届け出も必要です。
開業から1ヶ月以内に「個人事業の開業届出書」を提出する義務があります。
また青色申告を選択する場合は、開業から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」も提出しておきましょう。
青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるため、個人飲食店経営者にとって非常に重要な手続きです。詳細は国税庁の開業届の手引きで確認できます。

保健所・消防・警察・ハローワーク・税務署って、こんなにあるとは思わなかった。

多く見えるけど、リストに沿って順番にこなすだけだよ。ひとつひとつやれば必ず終わるよ。
飲食店開業の届け出は期限管理が全て 逆算スケジュールで動く

飲食店の開業準備で見落としがちなのが、行政手続きの「期限」です。
| 手続き | 期限 | 注意点 |
|---|---|---|
| 保健所の検査申請 | 工事完了後すぐ | 繁忙期は2〜3週間待ちも |
| 防火対象物使用開始届 | 開始7日前まで | 遅れると開業日がずれる |
| 労災・雇用保険 | 雇用翌日から10日以内 | バイトでも必須 |
| 開業届・青色申告申請書 | 開業から1〜2ヶ月以内 | 青色申告で最大65万円控除 |
オープン直前に気づいて慌てることがないよう、物件契約が決まった段階から逆算してスケジュールを組むことが大切です。

18年前の自分に教えてあげたかった内容だよ。知っているだけで開業準備のストレスが全然違う。

このチェックリスト、開業準備に入ったら絶対に使う。ありがとう。
夢のお店を、書類のミスで遅らせないために。
今日からこのリストを手元に置いておいてください。
あなたの開業が順調に進むことを願っています。
今日も同じ飲食の世界で、一緒にがんばりましょう。
・飲食店営業許可・食品衛生責任者:厚生労働省 食品衛生
・食品衛生責任者講習会:公益社団法人 日本食品衛生協会
・防火管理者・消防関連:総務省消防庁
・労災保険:厚生労働省 労働者災害補償保険
・雇用保険:ハローワーク 雇用保険ガイド
・深夜酒類提供営業:警察庁 風俗営業等
・開業届・青色申告:国税庁 開業届の手引き



