居酒屋独立で失敗する人の5つの共通点|18年店主が語るリアルな落とし穴

はな
はな

独立して失敗する人って、どんな共通点があるんだろう。

たかし
たかし

料理の腕じゃなくて、ほぼ全員「数字」でつまずいてるんだよ。

居酒屋の独立で失敗する人には、はっきりとした共通点があります。

地域1年後5年後10年後
全国平均60〜70%30〜40%5〜10%
都内平均50〜60%25〜35%約5%

飲食業の廃業率は高く、開業から1年以内に約4割が閉店すると言われています。

しかし失敗のパターンは決して「運が悪かった」ではありません。

ほぼすべての場合、事前に回避できた問題です。

私は19歳から飲食業に入り、15坪・25席の居酒屋を独立開業して18年目になります。

この18年間で、近隣や知人の店が閉店していくのを何度も見てきました。

閉店した店には、必ずと言っていいほど「あのとき気づいていれば防げた」共通のサインがありました。

この記事では、居酒屋独立で失敗する人の5つの共通点と、具体的な対策を現場18年の経験をもとに解説します。

独立前に読んでおけば、同じ失敗を避けられます。

この記事を読んでわかること

・居酒屋独立で失敗する人の5つの共通点。
・失敗パターンに気づくための具体的なチェック方法。
・18年続く店が実践している数字管理の習慣。

失敗のパターンは決まっている、知っているかどうかだけの差。

居酒屋独立で失敗する人の5つの共通点

18年間、現場で経営を続けてきた経験から断言できます。

失敗する店のほぼすべては「料理の問題」ではなく「数字の問題」です。

以下の5つに当てはまる数が多いほど、リスクが高い状態と考えてください。

原価率を把握していない

「このメニューで儲かっているか」を即答できない経営者は、想像以上に多いです。

はな
はな

お客さんに人気のメニューがあれば大丈夫じゃないの?

たかし
たかし

人気でも原価率が高ければ、売れれば売れるほど赤字になるよ。

原価率が把握できていないと、「売上は上がっているのにお金が残らない」という状態に陥ります。

価格設定も感覚になるので、値上げのタイミングも判断できません。

業態目標原価率判断
居酒屋・大衆酒場30〜35%この範囲内なら合格
ラーメン・麺類28〜35%スープのコストに注意
カフェ・喫茶25〜30%ドリンク原価を低く抑えやすい

対策:全メニューの原価を計算し、原価率=食材費÷販売価格×100で管理します。

原価率が高いメニューは価格改定か提供見直しを検討しましょう。

私の店では月に一度、仕入れ価格の変動に合わせてメニューの原価を見直す習慣を続けています。

売上を自分の給料だと思っている

独立したての経営者に最も多い致命的な誤解です。

はな
はな

今月の売上が100万円なら、100万円もらえると思ってた。

たかし
たかし

売上100万円から家賃・仕入れ・人件費・光熱費・税金を引いた残りが利益。自分の給料はそこからだよ。

運転資金を生活費に使ってしまうと、仕入れや家賃の支払いができなくなります。

最悪のケースは売上好調なのに資金が尽きる「黒字倒産」です。

決して他人事ではなく、個人事業主によく起きる現実です。

売上100万円の場合のイメージ
売上100万円 − 仕入れ33万円 − 人件費25万円 − 家賃18万円 − 光熱費5万円 − 雑費3万円 = 残り16万円
ここからオーナーの給与・税金・借入返済が出ます。

対策:オーナー自身の給与を最初から「経費」として設定してください。

毎月の固定費をすべて書き出し、売上から差し引いた後に残る金額を確認する習慣が、資金ショートを防ぐ最大の防衛策です。

さらに注意が必要なのが税金の支払い時期です。

個人事業主は翌年にまとめて税金を納めます。

利益が出た年ほど翌年の税額が上がるため、利益が出た月こそ「翌年の税金分」を別口座に積み立てておく意識が必要です。

売上好調な年の翌年に資金ショートするケースは、この税金の見落としが原因であることが多いです。

シフト管理が感覚になっている

人件費は飲食店で原価と並ぶ最大のコストです。

にもかかわらず「いつものシフト」で回し続けている店は非常に多いです。

たかし
たかし

月曜は暇なのに金曜と同じ人数入れてたら、それだけで月3〜5万円の無駄が出るよ。

はな
はな

月3万円の無駄が1年続けば36万円。開業初年度ではかなり痛いね。

飲食業の目標人件費率は売上の25〜30%以内が目安で、FL比率(食材費+人件費)を常にチェックして60%以内に収めることが経営の基本です。

私の店では日報をつけて、曜日・天気・イベントごとの来客データを蓄積しています。

3ヶ月分のデータが溜まれば、曜日別の来客予測がかなり正確に立てられるようになります。

シフトは「感覚」ではなく「データ」で組むことが、利益を守る習慣です。

開業初年度は歓送迎会・忘年会などの繁忙期の売上予測が立てにくく、平均的な日の来客数も読めない状況が続きます。

だからこそ開業当初は「自分+アルバイト1名」の最小単位でスタートして、軌道に乗ってから増員するスモールスタートが安全です。

私の店もこのやり方で、1年目の人件費率を適正範囲に収めることができました。

在庫管理と廃棄ロスを放置している

「捨てるのはもったいない」と思いながら、実際には毎日廃棄が出ている。

この矛盾に気づいていない店は多いです。

はな
はな

仕込みすぎて余らせるのと、足りなくて売り切れるの、どっちがマシなの?

たかし
たかし

売り切れは「ごめんなさい」で済むけど、廃棄は確実にお金を捨ててることになるからね。

廃棄ロスは原価率を直接悪化させます。

仮に月商200万円の店で廃棄率が3%あれば、毎月6万円・年間72万円をゴミ箱に捨てている計算になります。

私の店では日替わりメニューを中心に、その日の仕入れ状況を見ながら仕込み量を調整しています

「今日何人来るか」の予測精度を上げることが、廃棄ロスを減らす唯一の方法です。

来客予測は日報の蓄積から生まれます。

また廃棄ロスと同じくらい見落とされがちなのが、スタッフによる「ちょっとした飲食」の積み重ねです。

自分の店だからと業務用の食材や飲み物を無断で消費すると、棚卸しの数字が合わなくなり原価管理が崩れます。

オーナー自身がやっていれば、スタッフも同じことを始めます。

使った分は必ず記録・計上するルールを最初から徹底しましょう。

月次の収支を把握していない(最重要)

これが最も深刻で、最も多い失敗の原因です。

たかし
たかし

月次収支を把握していない経営は、目を閉じたまま車を運転してるのと同じだよ。

はな
はな

売上だけ見てれば大丈夫って思ってたけど、それじゃダメなんだね。

売上は毎日確認していても、コスト全体を把握して「今月いくら残るか」を計算できていない経営者は非常に多いです。

問題が起きても気づくのが遅れて、手を打てるタイミングを逃します。

毎月最低限把握すべき5つの数字

①売上 ②原価(食材費) ③人件費 ④固定費(家賃・光熱費等) ⑤利益

この5つを毎月確認するだけで、経営の「異変」に早く気づけます。

私はGoogleスプレッドシートで日次・月次の数字を管理しており、異常値が出たときに即日原因を特定できる仕組みを作っています。

会計ソフトや税理士を活用するのも有効な手段です。

税理士に任せているから大丈夫、という経営者が意外と多いですが、税理士は記録と申告のプロであって、経営改善のアドバイザーではありません。

数字を見て判断するのは経営者自身の仕事です。

月末に30分だけ自分で収支を見直す時間を作るだけで、問題への対応スピードが大きく変わります。

失敗を防ぐ──18年間続いた店が実践している習慣

5つの共通点を把握したうえで、実際に何をすれば失敗を防げるのか。

私が18年間続けてきた習慣を具体的にお伝えします。

日報を毎日つける

日報は「ただの記録」ではなく、経営判断の根拠になるデータベースです。

毎日記録するのはこの6項目だけです。

①売上 ②客数 ③客単価 ④天気 ⑤曜日・イベント ⑥気づいたこと(一言)

たった6項目でも3ヶ月続ければ、「雨の月曜は閑散、金曜の予約は早めに入る」というパターンが見えてきます。

このデータが仕込み量・シフト・メニュー改善のすべての判断基準になります。

たかし
たかし

閉店後5分でできる。この習慣が18年間の経営を支えてくれたと思ってるよ。

月次の収支を自分で確認する

税理士に任せているから大丈夫、という経営者が意外と多いですが、税理士は「記録する人」であって「経営改善する人」ではありません。

月末に自分で売上・原価・人件費・固定費・利益の5項目を確認する。

これだけで問題への気づきが圧倒的に早くなります。

私はGoogleスプレッドシートで日次データを積み上げ、月末に自動集計される仕組みを作っています

「先月より原価率が2%上がった」と気づいた月は、必ず原因があります。

早期発見できれば翌月には改善できます。

独立前に「経営の数字」を学んでおく

料理の修業は積んでも、経営の勉強をせずに独立する人がほとんどです。

しかし飲食店経営で必要なのは「料理のスキル」と「経営のスキル」の両方です。

最低限知っておくべき知識はこれだけです。

・原価率の計算方法と目標値。
・FLコスト(食材費+人件費)の管理方法。
・損益分岐点の計算方法。
・月次収支の見方(売上・原価・固定費・利益)。
・資金繰りの基本(運転資金の確保)。

これらは独立前に今の職場で学べます。

「今の職場は他人のお金で経営を学べる最高の訓練場」という意識で、数字を見る習慣を今から身につけておくことが最大の準備になります。

独立を考え始めてから特別なことを始める必要はありません。

今働いている店の売上・原価・人件費がどのくらいかを意識するだけで、経営感覚は着実に育ちます。

仕入れ業者との関係構築も、独立後に必ず役立つ財産になります。

業者の担当者と日頃からコミュニケーションを取り、良い関係を作っておくことも「数字以外の経営準備」として非常に重要です。

独立準備で最も大切なのは「退職してから始める」ではなく、「働きながら考え、学ぶ」こと。今の職場が最高の実践環境です。

今すぐ確認──自分の店は大丈夫か?チェックリスト

独立前の人も、現在経営中の人も、以下のチェックリストで現状を確認してください。

経営リスクチェックリスト
チェック項目OK要改善
全メニューの原価率を把握している把握できていない
売上と利益の違いを正確に理解している混同している
曜日・時間帯別の来客データを記録している記録していない
月次の5項目(売上・原価・人件費・固定費・利益)を毎月確認している確認できていない
廃棄ロスの量を把握して改善策を取っている放置している

「要改善」が3つ以上あれば、今すぐ対処が必要です。これらは開業後に「知らなかった」では済まされない問題です。

一つずつ、今日から潰していきましょう。

たかし
たかし

全部クリアできてる店は、まずつぶれないよ。逆に言えばそれだけシンプルな話なんだ。

まとめ|失敗のパターンを知れば、防げる

居酒屋独立で失敗する人の共通点を5つ整理しました。

失敗する人の5つの共通点
順位共通点根本原因
原価率を把握していない価格設定が感覚になる
売上を自分の給料だと思っている運転資金を使い込んでしまう
シフト管理が感覚になっている人件費が利益を食いつぶす
在庫管理と廃棄ロスを放置している原価率が知らず上昇する
月次の収支を把握していない問題に気づくのが遅れる

5つに共通しているのは「数字への向き合い方」です。

料理の腕でも立地でもなく、数字を把握して改善し続けられるかどうかが、続く店と閉じる店の分岐点です。

・原価率を全メニューで計算する。
・売上と利益は別物と理解して、自分の給与を経費に設定する。
・日報をつけてシフトをデータで組む。
・月次の5項目(売上・原価・人件費・固定費・利益)を毎月自分で確認する。

これだけで、閉店リスクは大きく下がります。

今日から一つでも始めてみてください。

はな
はな

知っているだけで、同じ失敗を繰り返さなくて済むんだね。

たかし
たかし

失敗した人と同じ轍を踏まないことが、成功への一番の近道だよ。

今日も同じ飲食の世界で、一緒にがんばりましょう!

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