
「独立して店を出したいけど、自分に向いているのか分からない。」
そんなふうに悩んでいませんか?
SNSを見れば、キラキラした開業ストーリーや繁盛店たちの成功例が毎日流れてきます。
でも実際の現場は、思った以上に泥くさく、地道で、そして人間くさいものです。

僕は19歳で飲食の世界に入り、現在は居酒屋を開業して18年目です
これまで、実際に独立した人、したかった人を数えきれないほど見てきました。
その中で感じるのは、飲食の独立に向いている人は、数字管理より“人間力”が強い人だということ。
そして、“人間力”こそが個人店で最大の武器です。
料理の腕や資金も、もちろん大事ですが結局お客様を笑顔にできる人が生き残るんです。
この記事では、私の経験から見えてきた
「飲食店の独立に向いている人が持つ7つの特徴」についてお伝えします。
独立に向いている人が持つ7つの特徴
人を喜ばせることが心から好きな人

”人を喜ばせることが心から好きな人”これが大前提で、そして最終的これに尽きると思います。
どんなに技術があって、どんなに仕組みを整えても、お客さんが笑顔で帰ってくれなければ意味がないです。
数字や知識を詰め込んだ、マニュアル通りに作られた店づくりは大手がやること。
個人店がそんな店を作ったって、誰も喜んでもくれないし誰も来てくれません。
「どうすればこの人が喜んでくれるかな」
そう考える気持ちを持ち続けることが、店をより進化させていく燃料になります。

誕生日の人がいて、急いでコンビニでケーキ買ってメッセージ添えてお出ししたら、すごく喜んでくれたよ。

それがきっかけで、もう十年以上通ってくれてるもんね。
「ありがとう、また来るね。」
ありふれた言葉ですが、その一言がどれだけ貴重な言葉か、独立して身に染みて感じました。
「商売とは、感動を売ることである。」──松下幸之助
「もの」ではなく「気持ち」を売ることで、お客さんの心に喜びや感動を生むことが、商売の本質です。
人を喜ばせたいと心から思える人は、やっぱり強いです。
小さく始めるから成功できる!小規模の個人飲食店だからできる戦略はこちらで詳しく説明しています。
人を信頼し、任せる勇気がある人

仲間を頼り、任せることは非常に大事な事です。
責任感が強い人ほど”弱音は吐かずに全部自分でやらなければ”と思ってしまうものです。

職人気質で自分がやった方が早い!なんて考える人多いんだよね。

自分で抱えて、ピリピリするのはホント勘弁って思うよ。
ですが、一人で出来ることには限界があり、必ずどこかで息が詰まってしまいます。
仕込み、営業、接客、SNSの投稿も、全部自分でやろうとしてしまいがちですが、それでは生産性も低いしスタッフも育ちません。
これは本来の目的でもある”お客様に喜んでもらう”ことから遠ざかることをしているだけ。
自己評価が下がって結局自分を苦しめることになります。
人を信じて、任せる。
失敗したらあとからフォローすればいいし、責任をとることも需要な仕事です。
なんでも”オレがオレが”となっていた時には、見えなかったところにも気づけたりします。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。 「山本五十六の言葉」
- まず自分がやってみせて「見本」を示す。
- 次に理由や目的を「言葉」で伝える。
- 実際に「やらせてみる」。
- 最後に「認めて褒める」。
”任せる力は信じる力”、信頼が生まれると、自分自身も店全体もまた一段とレベルアップします。
料理・お酒・食べることが純粋に好きな人

飲食の仕事に向いている人は、何より「料理や食べることが好きな人」です。
この“好き”という気持ちは、長く続けるうえで最大の原動力になります。
飲食業は体力も時間も使う仕事で、忙しい日もあれば思うようにいかない日もあります。
それでも続けていけるのは、「好き」という気持ちが支えてくれるからです。
- 好きだから工夫できる。
- 好きだから成長できる。
- 好きだから乗り越えられる。
この「好き」がある人は、どんな壁も楽しみながら乗り越えられます。

小学生の時に作ったオムレツをおばあちゃんが「おいしいね」って喜んでくれた瞬間に料理が好きになったんだよ。

改めて、料理で人に喜んでもらえるって、すごいことだよね。
それ以来、料理は自分の中で特別な存在になりました。
疲れていても、忙しくても、「もっとおいしくしたい。」「次はこんな料理を出したい。」
そう思える気持ちが、今でも自分を動かしています。
“好きでいられること”は、何よりの才能。
技術や経験はあとからついてくるものですが、本当に好きという気持ちは真似できません。
「本当に好きなことは、努力している感覚がない。」─ 本田宗一郎
“努力”というのは、本来つらさや我慢を伴うものです。
でも“本当に好きなこと”をやっているときは、頑張っている自覚すらなく時間を忘れて続けられます。
その「夢中で続けられること」こそが、飲食店の独立に向いている人です。
失敗を恐れず変化を楽しめる柔軟さがある人

飲食店経営において、柔軟に変化を楽しめる人は本当に強いです。
固定した完璧を目指すよりも、「その日、その瞬間」に合わせて動ける人。
飲食の現場は、毎日が予定通りにいくことの方が少ないです。

どんなに準備していても、想定外のことが起きたりするから対応力は大事。
天気、イベント、仕入れの状況などの、外的要因があって昨日の正解が今日は通用しないのがこの仕事のむづかしさです。
- 仕入れが変わればメニューを変える。
- お客さんが少なければ、仕込み量を調整する。
- 来店数が少ないなら、いつもより接客に力を入れる。
こうした「小さな判断の柔軟さ」が、店の空気感をつくり出します。
以前の職場に、とても元気で前向きな店長がいました。
「大丈夫、やってみよう!」が口ぐせで、少し強引でもとにかく行動が早くその姿に自然と周りのスタッフが引っ張られていました。
たとえば、雨の日に客足が少なかった時も、
「金目の一本煮1000円でいっちゃおう!」とすぐに外へ張り紙をだして集客しようとする行動力。
結果うまくいかなくても、行動することで自分にも周りにも店としての血が通うような感覚になります。

いつも元気な笑顔で、自分もこんな風に店づくりをしたいなって思ったのを覚えてる。
失敗を恐れず柔軟に動ける人は、まわりを明るくする力があります。
マルチタスクなんて無くたっていいんです、一点突破でも「どうにかしてやってみよう」と動ける行動力の方がよほど価値があります。
「変化を恐れるな。変化の中にこそ、成長がある。」─ チャールズ・ダーウィン
変化を拒むと店は退化していきます。
変化を受け入れ、楽しみながら進める人こそ長く愛される店をつくれます。
体力と気力をうまくコントロールできる人

どんなに効率化がされてきても、飲食業は“体力勝負”の仕事。
だからこそ、本当に続けられる人は「無理をしないバランス感覚」を持っています。
頑張ることと、無理をすることは違うと気づける人が長く続けていける人に共通します。
独立して気づいたのは、オーナーの体調はそのまま店の空気に出るということ。
自分が体調を崩したりすれば、隠してるつもりでもスタッフやお客さんに、その雰囲気を感じ取られてしまいます。
- 無意識に笑顔が減る。
- 焦ると早口で冷たい言葉になる。
- 余裕がなく、気遣いができなくなる。
お店は空気感で出来ています。

本当にキツイ時は無理せず閉めて休む、自営業の特権でもあるからね。

長引いたら、余計に迷惑かけることにもなるからさ。
だからこそ、自分を整えることはお店を整えることでもあって、料理、サービスと同等以上に需要なことです。
私も、独立したての頃は余裕がなく笑顔が少なかった時期がありました。
毎日仕込みから片付けまで一人でこなして、自分がやらなきゃと気持ちばかり焦っていました。
けれど、立ち上げメンバーからの一言で少し休んで気持ちを切り替えて改めてスタートすると、自分だけでなくスタッフやお客さんの笑顔も増えました。
それからは、意識して“抜く時間”を作るようにしています。
- 週に一度は好きな店に食べに行く。
- スタッフとの談笑の時間を増やした。
- SNSを見過ぎず、他と比べない。
飲食は“体の仕事”であり、同時に“心の仕事”だからこそ、自分を整える力が欠かせません。
「休むことも仕事のうち。」─ 二宮尊徳
人間も自然の一部であり、働き続ければ必ず疲れます。
疲れたまま働けば判断を誤り効率も下がるのは自然なことで、「しっかり休むこと」も“仕事の一部”
良い成果を出すために欠かせないことです。
一つのことをやり抜く粘り強さがある人

飲食で独立した人に必要なのは”一つのことをやり抜く粘り強さ”です。
もちろん、自身で決めた”撤退ライン”を超えるようなことがあるのなら、閉店してまた次の道へ進むことも大切。
ただ、どんなに良いモノ・コトがあっても続けられなければ意味がありません。
「継続」は技術やセンスよりも強い力を持っています。

まったくお客さんの来ない日も、思うような営業ができなかった日も乗り越えて続けること。

そんな日でも、気づきや改善点が見つかれば有意義な一日だよ。
やり抜くことができる人こそ、最終的にお客様の信頼をつかみ店を継続していくことができます。
- 昨日より今日、今日より明日の意気込みで迎られる。
- 来てくれたお客様といつもと変わらず接し続ける。
- 自分のペースを守り、焦らない。
お店の信用は、一夜では築けません。
一つひとつの積み重ねが、個人店にとってやがて“信頼”という大きな財産になります。
うちの店でも思うようにお客様が来てくれない日は、今でもあります。
それでも、「今だから、できることをしよう」と思うようにしています。
たとえ一人でも、その人が満足してくれれば、やがて常連さんを生み口コミを広げてくれることを体験してきましたから。
“結果”は、すぐには見えませんが、確実に“信頼”は、ゆっくり育っていきます。
「成功とは、小さな努力を日々積み重ねること。」─ ロバート・コリアー
多くの人は「成功=一発逆転」や「大きなチャンス」と考えがちです。
でも実際は、目に見えない小さな努力の連続が、あとから「成功」に見えるだけ。
1日1日の小さな行動が、未来の大きな成果をつくります。
焦らず、比べず、自分のペースで続けていくことが長く愛されるお店の条件です。
力を抜くバランス感覚がある人

飲食業を長く続けていくには、力を抜く勇気が欠かせません。
「全力で頑張る」ことと「無理して我慢する」ことは、似ているようで全く違います。
ずっと走り続けてしまう人ほど、意識的に“抜く力”を身につけることが大切です。

独立して3年は、全力で走り続けるつもりじゃないと、うまくいかないけどね。

だんだんと、タイミングがわかってくるもんだよ。
でも、長く続けるためにはペース配分が必要ですし、次第にがんばり所がわかってくるはず。
お店も人も、力を入れすぎると壊れてしまうので「抜く」という選択が必要になります。
オープン当初、ずっと休まずに働いていた時期がありました。
気づけば笑顔が減り、生活にも“余白”がなくなっていたんです。
少し休みをとり、心に余裕ができたときにふと「こんなにお客さんの表情をゆっくり見たのは、いつぶりだろう」と思ったことがあります。
力を抜いたからこそ、見えてくるものがあります。
- スタッフの小さな成長。
- お客様同士の何気ない笑顔。
- これまで積み上げてきた店の実績。
頑張ることばかりに集中していた頃には気づけなかった“幸せの景色”です。
「弓を張りつめてばかりいると、折れてしまう。」─ 老子
弓を常に引き絞っていれば、やがて弦が切れたり木は折れます。
人間も同じで、常に緊張・努力・闘争心の状態では心や体が壊れていきます。
ときには“ゆるめる”勇気を持つことが大切。
そのゆとりが、店を長く続けるための原動力になります。
飲食業はプライベートが犠牲になる?長時間労働を見直す対処法はこちらで詳しく説明しています。
まとめ|数字に縛られなくても、結果はあとからついてくる
数字管理はもちろん大切です。
けれど、数字に縛られすぎると、本当に大切なものを見失ってしまうことがあります。
飲食業でいちばん大事なのは、「どうすればお客さんが喜んでくれるか」という想いです。
ガチガチに数字管理して、机上の理論でマニュアル通りでうまくいく世界なら、こんなに閉店率は高くなっていないはず。
現場は毎日変化し、思い通りにいかないことの方が多いですが、お客さんの笑顔こそが最大の成果です。
- まず売上よりも、お客さんの「また来るね」を増やす。
- 効率よりも、スタッフの笑顔を大切にする。
- データよりも、空気を読む力を磨く。
飲食の仕事は、数字ではなく“人の温度感”で動いていて、料理をつくるのも人、受け取るのも人です。
その間に流れる空気感が、店の価値になります。
数字管理や技術力ももちろん大切ですが、それ以上に大切なのは人を好きでいられること。
お客様、スタッフ、取引先、地域の人たち、そのつながりを大切にできる人は、きっとうまくいきます。
完璧でなくていいし、うまくいかない日があってもいいから、目の前の一人を喜ばせる。
これを毎日続けられる人は、確実に飲食の独立に向いている人だと思います。

これが単純であって、むづかしいことなんだよね。

完璧にできなくたっていいんだよ、近づく努力さえ続けていければOKだよ!
忙しい毎日の中、人間関係、未来への不安など悩みは尽きないと思います。
その悩みを見て見ぬふりをしないで、一度ゆっくり向き合ってみることをおすすめします。
漠然と悩んでいることが、案外すぐに解決できることだったりするものです。
私は今日も同じ飲食の世界で現場に立っています、今日からもお互いがんばりましょう!



