

いざ独立って言っても、なにから始めたらいいか
わからないよ。

出店準備から経営の事まで考えだしたら、キリがないからね。
「いつかは自分の店を持ちたい」
そう思いながら、一歩を踏み出せない人は多いはずです。
長時間労働や人間関係の疲れ、将来の不安。
現場で働いているからこそ、独立の難しさもよく見えてしまうもの。
| 地域 | 1年後 | 5年後 | 10年後 |
|---|---|---|---|
| 全国平均 | 60〜70% | 30〜40% | 5〜10% |
| 都内平均 | 50〜60% | 25〜35% | 約5% |
飲食業界は1年で約40%、10年後となると約90%が閉店しています。

でも大丈夫!個人だからできる戦い方があるんだよ!
私は、19歳から飲食業に入り、現在は居酒屋を独立開業して18年目になります。
SNSで流れてくる様な、予約の取れない大繁盛店ではありませんが、安定して利益を出しています。
この記事を参考に、しっかりと戦略を立て実行していけば、月30万円の利益を出すことは難しくありません。
・個人で独立開業、月30万円稼ぐメリット
・物件・資金計画、開業までの流れ
・個人店が利益を残す店舗経営
一歩踏み出す勇気と現実的な準備・戦略があれば、あなたにもできます。
これは、私が飲食業界で実際に体験し、学びたどり着いた一つの経営スタイルです。
個人で独立開業━事業所得で月30万円稼ぐメリット


30万円なら、会社員でも稼げると思うんだけど。

同じ30万円でも、給料で稼ぐのとは全く別物なんだよ。
数字だけ見れば、少なく感じる人もいるかも知れません。
でも、居酒屋でこの「30万の利益」を残せれば、生活はかなり変わります。
・食費は店でまかなえる。
・経費で生活費が軽くなる。
・働く時間も、自分で決められる。
同じ30万円でも、会社からもらう給料とはまったく内容が違います。
ここには、“見た目の金額以上の価値”がある。
この前提を踏まえた上で話を進めます。
事業所得と給与所得の違い
同じ30万円の所得でも、性質は全く異なります。
単身世帯の給与所得の場合、
支給された30万円から、税金・保険料などで約6万円引かれ、手取りは24万円前後になります。
| 項目 | 年額 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 額面収入 | 3,600,000円 | 300,000円 | 基本給+残業代など |
| 所得税 | 66,500円 | 5,541円 | 課税所得により変動 |
| 住民税 | 153,000円 | 12,750円 | 前年所得により変動 |
| 健康保険 | 178,380円 | 14,865円 | 協会けんぽ等の料率に基づく |
| 厚生年金 | 329,400円 | 27,450円 | 会社と折半済みの自己負担 |
| 介護保険 | 0円 | 0円 | 40歳未満は対象外 |
| 雇用保険 | 21,600円 | 1,800円 | 雇用保険料率に基づく |
| 控除合計 | 748,880円 | 62,406円 | 税金+社会保険料 |
| 手取り額 | 2,851,120円 | 237,593円 | おおよそ23.8万円 |
※2025年時点の一般的な料率を用いた概算です。地域・加入制度・控除内容で前後します。
※ボーナス支給時は別途、税金・社会保険料がかかります。
出典:タレントスクエア 手取り計算ツール
ここから家賃・食費・通信費・保険料を払えば、残りは10万円残るかどうか。

他にも消耗品・娯楽費・急なケガや病気もあるし・・・。

そうなると、貯蓄や投資にまで手がだせなくなるよね。
一方、事業所得で得る30万円は内容が変わってきます。
利益は、売上から経費を差し引いた30万円で、この経費の中には、
・毎日の食費(賄い)
・接待交際費。
・交通費。
・通信費。
・各種保険料。
これらを全額また、一部経費計上できるので、実質的な支給額は40万円程度になります。
30万円という数字は同じでも実質賃金は全く別モノで、残せるお金と暮らしの余裕がまるで違います。
更に、この30万円は自分の努力次第で青天井に上げる事ができます。
時間の自由が“お金の価値”を変える

シフト・勤務日数・休みは、会社都合で決まるからね。
開店準備から閉店作業まで拘束され、1日12時間労働も当たり前、手にする給料は大切な人生の時間と引き換えに得た対価とも言えます。

独立すれば、労働条件はすべて自分の裁量で決められるよ。
ランチ営業からやってもいいし、夜営業だけでもいい、休日も自由。
友人、家族と過ごす時間、趣味に費やす時間、すべてが自分の判断で決められます。
同じ30万でも、“縛られるお金”と“選び取るお金”では価値が全く違います。
ストレスの質が違う ― やらされる疲労と、やりたい疲労
飲食業の仕事は、新人から中堅・責任者まで、どの立場であっても大変で、私もそれぞれの立場を経験してきたので身に染みてわかります。

自分の方針じゃないのに、責任だけは取らされるとかあるし。
雇われの時は、シフトや売上目標、上からの指示に追われる毎日で常にストレスがかかってる状態。
一方、独立してからの疲れは、すべて自分が決めた選択の結果です。

環境が変われば”疲労”の質が変わるんだ。
仕込みでクタクタになっても、「やりたくてやってる」と思えるから前向きになれるし、結果がついてくれば達成感と報酬がリアルに返ってきます。
“やらされる疲労”は消耗で“やりたい疲労”は充実そのもの。
この違いこそ、独立して体感できる最大のメリットなんです。
独立開業を成功させる準備と対策

新規出店する人達の動機も経緯も様々、個人から大手チェーンまで規模も財力もピンキリです。
・何年も修行してきた人が満を持しての初出店。
・うまくいっている繁盛店の多店舗展開。
・大手企業の店舗拡大、新業態の出店。
他にも意外と多いのが
・蕎麦好きがこうじて店を出した。
・家で作る料理が評判でカフェを出した。。
・人が集まる場所を作りたくて、バルを始めた。
こう言った、「脱サラ」して夢だった飲食店をオープンさせるケース。

知識・経験がある、プロの人だけじゃないんだ。

最近では、修行0日で出店!なんてのも流行ってるんだよ。
何十年も料亭で修行した、高級な食材を使ってる、SNS映えする豪華な内装。
一つ一つの要素としては大切な事ですが、それだけでは売り上げは上がりません。
- 料理がおいしい。
- ボリュームがあって値段が安い。
- 駅から近く好立地。
このような単純な事ではなく、目に見えない変数の様なもので評価されます。
独立は勢い、熱意も大事ですが、それだけでは長くは続きません。
何となく始めると、資金もメンタルもすぐに尽きてしまいます。
経験者だから安心、未経験だと話にならない、なんてことは決してありません。
ここでは、長く続く店を続けるための基盤を整えます。
いま現在の職場で効率よく独立準備を始める
独立するからと言って、前のめりになって特別なことを始める必要はありません。
今の職場でも、開業に必要な知識や感覚はほとんど学べます。

例えば、どんなこと?

まずは「数字を見る習慣」をつけることだよ。
大前提の話ですが、利益は入ってくるお金から出ていくお金を引いた額になります。
利益=売上-原価-人件費-その他経費
中身をもう少し分解すると
利益=客単価×客数×営業日数-(食材原価+人件費+家賃+光熱費+雑費)
原価率、FLコスト(食材費・人件費)、家賃、消耗品費、税金、売上構成比・・・。
いろいろあって難しく感じてしまうかも知れませんが、完璧に理解していなくても大丈夫。
ポイントを押さえておけば、大きく失敗することはないですし、私もそうでしたが結果、実戦で学んでいく事の方が多いし確実に身に付きます。

次に、仕入れ業者や取引先との関係を築くこと。

確かに、売るものが無ければ始まらないもんね。
独立開業時に使えるネットワークがあれば、スタート時の不安は減り、逆にこの関係性がないとかなり苦労します。
今働いている場所で、業者の方と常日頃から良い人間関係を構築しておくのは、とても大事な事です。

人間関係大事・・・っと。他には大切な事はある?

あるよ、理想の店舗を言語化して書き出すこと。
店の規模、客単価、立地、メニュー内容、営業時間、ターゲット客層・・・。
多少おおざっぱでも整理するだけでも大きな一歩です。
「独立=退職してから」ではなく、“働きながら考える”ことが成功への近道。
今いる職場は、言ってしまえば他人のお金で自分の考えを試せる、”絶好の訓練場”です。
お店に迷惑のかからない程度に、どんどんチャレンジすること。
日々の仕事の中でコツコツ準備を始めリスクを減らし、実現力を高める。
「繁盛店」だけが成功じゃない理由
SNSから流れてくる、行列のできる人気店や豪華でオシャレな内装の店。
そんな“繁盛店”が一見成功している様に見えますが、実際は違ったりもします。

繁盛してる店は、安泰なんじゃないの?

裏では長時間労働や人手不足で苦しんでる
オーナーやスタッフがいたりするんだよ。
連日、満員満席で坪売り上げ50万円超えなんてバケモノ級大繁盛店は存在しますが、そんな店はほんの一部のお話です。
(一般的に坪単価売り上げ20万円で繁盛店の仲間入り)
外から見れば、安定した経営に見える店舗でも、広告宣伝費・原価のかけすぎで、実際は赤字ギリギリなんて店舗もあります。
肝心なことは、どんな店でも永遠に繁盛店でいられる保証なんて一つもないと言うこと。
| 順位 | 業態 | 3年以内閉店割合 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | ラーメン | 約 62%以上 | 人気業態でありながら閉店率が高い |
| 2 | カフェ / 喫茶 | 約 60%前後 | 喫茶/カフェ業態も閉店率が高め。 |
| 3 | テイクアウト専門 | 約 60.29% | 新たに「テイクアウト」業態が対象に入れられ、3年以内閉店割合 60.29% と報告。 |
※出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店ドットコム」閉店調査(2024年)
一時のブームで人気になり、気づけば無くなってた店があったはず。
- 開店当初は行列だったラーメン屋。
- 予約待ちが出ていた高級パン屋。
- どの駅にもあった、から揚げ専門店。
瞬間風速の売り上げよりも、しっかりと目標売上を超えられる店のほうが強いです。
確実に利益を残して、自分のペースで働く。
無差別級の猛者が集まる飲食業界で、個人が勝つ方法は地味な方法だとしても、日々の営業努力の積み重ね。
”小さく始めて、しっかり稼ぐ”ことが成功の近道だと思ってます。
物件所得・設備投資の考え方と注意点

独立の道筋が見えてきたら、次は現実の形に落とし込む段階です。
業態・立地・資金計画など、開業までの具体的なステップを整理します。
大事なのは、“理想”と“現実のバランスと見極め、長く続けられる店”を作る。
一歩ずつ、無理のない開業プランを立てていきましょう。
自分に合った業態・コンセプトを決める
居酒屋とひと口に言っても、その振り幅はとても広い。
どんなコンセプトにするかは、これまでの経験と得意なことを掛け合わせて決めていきます。
| 項目 | 業態(大衆酒場) |
|---|---|
| 店名 | 元気酒場 たかし |
| ターゲット | 30〜50代/1~4人飲み・会社員、近隣ファミリー |
| メイン商品 | 産地直送の鮮魚・全国の地酒 |
| 客単価 | 4000円 |
| 雰囲気 | 昭和レトロ+現代の清潔感 |
| 立地 | 駅徒歩5分以内・10~15坪前後 |
| 差別化 | 「女性1人でも入りやすい居酒屋」 |
| ストーリー | 地域密着の心地いい接客の店主がいる店 |

書き出してみるとイメージしやすいね。
基本は、過去に働いていた店の業態に近い店を出店することが理想です。
オペレーションも把握しやすいし、仕入れルートも一から探す必要がなくなります。

人脈は大事!業者さんとの良い関係性を意識してね。
ただし、気を付けなければいけない事もあります。
・以前の店で人気商品だったものを、そのまま看板商品にする。
・以前の店とボリューム・値段設定を同じにする。
・仕入れコストや配送日時が一緒にできると思っている。
今後は個人として商売をするわけで、過去のブランドは一切通用しないことを理解してください。
前職の規模が大きければ、大きい程、すべてにおいてギャップを感じることになります。

たとえ同じ料理、値段設定にしても、同じに評価はされないよ。
良くも悪くも、今までは店の”ブランド内”での評価です。
それじゃ、完全に不利じゃないか?と思いますか?。
実はそんなことはないんです。
なぜなら私が今まで経験してきて感じた、もっとも重要なことは
「あなたの店でなければならない理由」をつくること。
それが、唯一で最大の武器になる。
これが即座に、行動・実行できるのが個人店だからです。
大型店やFCには真似できない“人間力”。
接客・会話・雰囲気立地、料理、空間も大事ですが、
自分の魅力を存分に発揮した店づくりこそ、個人店がその他大勢の強豪店舗に勝つ最大の強みです。
独立開業の立地と物件の選び方
立地を選ぶときは、家賃と売上のバランスが重要です。
| 項目 | 意味 | 内容 | 目安(小〜中規模店) |
|---|---|---|---|
| F(Food cost) | 材料費 | 食材・飲料の仕入れ費用 | 売上の 25〜35% |
| L(Labor cost) | 人件費 | 従業員・アルバイト給与、社会保険、オーナー人件費など | 売上の 20〜30% |
| R(Rent) | 家賃 | 物件賃料、共益費、保証金償却、更新料換算など | 売上の 10〜15% |
個人店・大手チェーンや業態でもかなり差がありますが基本的にこのレンジ内に納める。
F・L・Rコストは飲食店の三大コストで、個人で出店する際の家賃は10%未満に抑えるのが理想。

だとすると、家賃は抑えてなるべく小さな物件がいいんだよね?

そう来ると思った!でも単純にそうでも無いんだよ。
自分の資金との兼ね合いもありますが、
「小さく始める=極端に狭く」ではありません。
利益=客単価×客数×営業日数-(食材原価+人件費+家賃+光熱費+雑費)
たとえば、5〜6坪のカウンターのみ10席未満の店だと、どんなに繁盛しても売上の天井が低くなって利益が出しにくいです。

席数が少ないと回転率をあげるか、単価を上げないといけないんだよ。
理想は、団体の貸し切り営業にも対応できる
・駅徒歩5分圏内の路面店。
・10〜15坪(坪単価10000~15000円)
・20席以上の見通しの良い間取り。
売上の伸びしろもあり、少人数でも十分に目の行き届く広さ。最初は自分ともう一人のスタッフで対応し、好調ならそのあとに増員するイメージ。

私の店は15坪(坪単価1.2万)駅徒歩5分
路面店、通常25席、最大30席程度の店だよ。

開店当初はアルバイトと二人でスタートしたんだよね。
立地は「人通りの多さ」よりも、ターゲット層とマッチしているかが大事。
賑わってる街に見えて、実際は学生や高齢者が大半の立地もある。
昼・夜・平日・祝日と時間帯も含め、自分のターゲット層と合致するか判断する。
無理のない家賃・適正な広さ・客層との相性、この3つのバランスが、長く続く店の条件。
資金計画と開業コストの見積もり
開業資金は、十分に余裕を持って計画する事が鉄則。
想定外の出費が出てきた際に、資金の余力がないとその時点で終了です。

お店をオープンする前に、お金がなくなったら大変だ。

現実は自分で調べた金額から、上振れすると思うくらいでちょうどいいよ。
飲食店の設備投資(初期投資)は坪単価で50万~80万円のレンジで考えられるのが一般的。
10〜15坪なら500〜1200万円前後が目安。
ただし、近年の人手不足・原材料費の高騰で価格は上昇基調にあります。

少し前に製氷機が壊れて買い換えたら、当時の1.5倍したよ。
| 坪数 | 坪単価(目安) | 初期設備投資額目安 |
|---|---|---|
| 10坪 | 50万円/坪 × 10坪 | 約 500万円 |
| 10坪 | 80万円/坪 × 10坪 | 約 800万円 |
| 15坪 | 50万円/坪 × 15坪 | 約 750万円 |
| 15坪 | 80万円/坪 × 15坪 | 約 1,200万円 |
金額をかければ当然、設備・内装もグレードはあがりますが、結論はじめは必要最低限でいいと思います。

居抜き、スケルトン、路面、空中階で
金額も大きく変わってくるよ。

居抜きは、設備が残ってる物件で
スケルトンは何もなくて、一から作る物件だよね。
念願の店を出す高揚感で、いろいろ足したくなる気持ちはわかりますが、まずは無事オープンさせることが最優先。
私は居抜きで開業したので、個人的には居抜き物件を根気よく探すことをおすすめします。
ただし、居抜き物件ならではの落とし穴もあるので注意が必要です。
| 区分 | 主な構成要素 | 内容 |
|---|---|---|
| 内装工事 | 壁・床・天井・仕上げ材・間仕切り・床仕上げ・天井仕上げ | 店舗の見た目、雰囲気をつくる部分 |
| 設備・工事 | 給排水設備・ガス配管・電気配線・空調・換気・排気ダクト | キッチンが使えるようにするインフラ工事 |
| 厨房機器 | 調理台・レンジ・フライヤー・グリル・冷蔵冷凍庫・食洗機など | 実際に料理を作るための機器類 |
| 什器・備品 | テーブル・椅子・食器・カウンター・照明器具・インテリア小物 | 客席・サービス用備品 |
| 外装・看板 | ファサード・入り口ドア・看板・外壁仕上げ | 店舗の第一印象をつくる部分 |
| 申請・設計・その他 | 設計費・図面作成・申請料(保健所・消防)・工事管理費 | 法規制対応や設計監理コスト |
| 運転予備資金 | 開店前の光熱費・人件費・予備機器・予備部材 | 開業後の運転資金として固定費の3ヵ月分用意 |

全額自己資金で賄えない人が多いから
国や自治体の制度を使うといいよ。

たかしも自治体から
創業支援金で融資を受けたんだよね。
自己資金だけで賄えない場合は、日本政策金融公庫の創業融資や、自治体の補助金も検討しましょう。
「最初から全部揃える」必要はありません。
開業時は“必要最低限”でスタートして、売上に合わせて設備を整えていく方が安全。
開業までのタスクとスケジュール管理

やる事が多すぎて、迷子になりそう。

大変だけど、自分の店ができていく過程は
ワクワクが止まらないよ。
① コンセプトと資金計画を固める
→ 業態・席数・立地・資金の上限を明確に。
② 物件探し・契約
→ 家賃・立地・居抜きの条件を比較検討。
→ 契約前に、必ず近隣の環境・設備・排気・水回り・電気容量を確認。
③ 内装・工事・設備導入
→ “見た目”より“動線と使いやすさ”を優先。
→ 工事前に、必要な保健所・消防の条件もチェック。
④ 保健所・消防・税務署など各種届出
→ 飲食店営業許可、深夜酒類提供届、開業届を提出。
→ 税務署には青色申告承認申請書も忘れずに。
⑤ 仕入れ先・業者契約・メニュー決め
→ 信頼できる業者を早めに決め、原価率を把握しておく。
⑥ 試作・プレオープン準備
→ メニュー試作、オペレーションの確認、価格設定の最終調整。
→ 家族・知人を招いて、プレ営業で動線を確認。
⑦ グランドオープン
→ SNS・Googleマップ等に登録して集客導線を整える。
→ 最初の1ヶ月は“改善期間”と考えて柔軟に動く。

物件を決めたら、オープン日から逆算して
余裕を持ったスケジュールを組んで。
安定した利益を出し続けるための習慣
店を開けることより、続けることのほうが難しいのが飲食です。
売上を安定させるには、毎日の小さな積み重ねが大切。
利益を出し続ける人は、“数字を見て、改善する”を習慣にしています。
日報をつける
日報は、“ただの記録”ではなく、店を成長させるツールです。
その日の売上・来店人数・客単価を記録するのはもちろん、来客データも取り続けます。
・どんな特徴の人だったか。
・何を好んで食べて、苦手そうだったか。
・名前はわかるか。
たとえば、「雨の日は常連が多い」最近「ファミリー層が増えてる」など、小さな気づきが次の対策やメニュー構成のヒントになります。

情報がたまってくると、
再現性の高い成功パターンが生まれるんだ。
逆に、「出数が少ないメニュー」「提供が遅れた原因」なども合わせて記録しておくと、改善点が明確になり、すぐに対応策も考えられます。
一日の終わりに、5分でも振り返りの時間を持つことが、安定経営への第一歩です。
原価管理をする
原価管理は、売上を伸ばすことより、先にやるべき経営の基本です。
多くの個人店がつまずくのは、出費の理解不足。

昔から丼ぶり勘定はダメだっていうもんね。

目安が把握できないと、原因も突き止められないからね。
材料費だけでなく、人件費、水道光熱費・消耗品・修繕積立費、火災保険など
一つ一つのコストも積み重なると大きな差。
| 項目 | 割合 | 考え方 |
|---|---|---|
| 原価 | 33%前後 | 料理原価、食材原価などの原価率。 原価と人件費の合計が売上の60~65%以下に目標。 |
| 人件費 | 28%前後 | 社員給与、アルバイト給与、交通費、福利厚生など。 |
| 水道光熱費 | 5%前後 | ガス代・電気代・水道代など。 |
| 販売促進費 | 3%前後 | 基本は無料SNSでいい。 |
| その他(消耗品・通信など) | 5%前後 | 事務消耗品費・修繕費・通信費など。 |
| 変動費 合計 | 60%〜70% | この範囲内に収めることが理想。 |
| 家賃 | 10%以下 | 売り上げが上がて一桁を目指す。 |
| その他固定費 | 10%以下 | 保険、減価償却費、支払利息、リース料など。 |
| 固定費 合計 | 15%〜25% | 売り上げが上がれば、固定費は下がる。 |
現場では「なんとなく」の習慣が一番の落とし穴です。
・仕込み量が適当でロスがでる。
・電気・ガスのつけっぱなし
・ラップ、ペーパーなど消耗品の無駄遣い。
こうした小さな無意識が利益を削ります。
原価を数字で把握し、体感で意識できるようになると、利益は自然と積み上がっていきます。
稼ぐ前に、減らさないを徹底しましょう。
自分が“最大の商品”であることを忘れない
個人店のいちばんの強みは、人間力です。
どんなに料理がうまくても、どんなに内装がきれいでも、最後にお客さんが「また行きたい」と思う理由は、“あなたがいるから”です。
・お出迎え、お見送りの掛け声
・注文を受け取る際の笑顔
・さりげない気配り
小さな積み重ねが、他のどんな店にも真似できない価値を生みます。

これなら今すぐにでも出来ることだね。

接客の効果は絶大なのに、原価0円なんだよ!
極論を言えば、この人間力、接客力がずば抜けていれば、料理が少し高くても、立地が悪くても、お客さんは足を運んでくれます。
店の空気感は、オーナーであるあなた自身の人柄そのもの。明るく、誠実で、丁寧な姿勢は、そのまま店の“雰囲気”になります。
それは、自分一人ではなく、スタッフとの関係性、お客さんとの関わりの中から育っていくものです。
あなた自身が最大の商品になれたとき、店は“場所”ではなく“人に会いに行く空間”に変わります。
まとめ

飲食の世界は、厳しい現実がある一方で、誰にでもチャンスのある世界でもあります。
大きな繁盛店を目指さなくても、戦略と準備を整えれば、小さく始めて、しっかり稼ぐことは十分可能です。
・最初の一歩は、完璧じゃなくていい。
・準備は今の職場にいながらでも始められる。
・あなたが最大の商品になる。
この記事で伝えてきた事は、夢物語ではなく独立して18年目の今現在も、積み重ねている“リアル”です。
自分で決め、自分で動き、自分の店を育てていく過程には、金額以上の価値があります。
サラリーマンの30万円と、独立して稼ぐ30万円は、見える景色がまったく違います。

昨日より今日、今日より明日だよね。

未来は“ある日突然”じゃなく
“いま自分の意志”で変わるんだ!
これから一歩踏み出そうとするあなたに、心からエールを送ります。
今日も同じ飲食の世界で、一緒にがんばりましょう!




