
飲食業界で働いていて
「頑張っているのに給料が上がらない。」
「もっと待遇が良い職場はないのか?」と感が出た事ありますか?
休憩もろくに取れないのに朝から晩まで立ちっぱなし、なのに給料は少ない。
これではやる気もでないし、続けられませんよね。

最初のレストランでは朝8:30〜23:00勤務
休憩はまかないを急いで食べる時だけ、手取りは12万円だったよ。

「修行中は我慢だ」みたいな風潮は今でもあるからね。
「頑張れば給料は上がるはず」と信じて働き続けましたが、数年たっても雀の涙ほどの昇給でした。
確かに、そこでしか学べない技術や、ノウハウがあることも事実です。
だとしても、もっと効率よく立ち回る必要もあるはずです。
この記事では、飲食業の給料が低い理由、放置するリスク、そして改善するための対策を3ステップで解説します。
・飲食業の給料が低い理由。
・給料が低いまま放置するリスク。
・給料への不満を解消する具体的な方法。
なぜ飲食業は給料が低いと言われるのか?
人件費率とFLコストの関係
飲食店の経営では、FLコスト(Food & Labor コスト) と呼ばれる指標があります。
これは 食材費(Food)+人件費(Labor) を合わせたコストで、売上の65%以内 に収めるのが健全経営の目安とされています。
飲食業では、売上に対して人件費を30%までに抑えるのが一般的な目安とされて、FLコストが65%を超えると赤字経営になりやすいと言われています。
たとえば月商200万円の小さな飲食店なら、人件費に使えるのはおよそ60万円。
ここから店長、社員、アルバイトの給与のすべてをまかなう必要があります。
当然ですが、どれだけスタッフが頑張っても
売上が伸びない限りは人件費を増やせない=給料を上がりにくい構造ができあがります。

売り上げが落ちるとオーナーからは
「人件費を削れ!」って指示が飛んでくるんだよ。

簡単に削れって言われてもね・・・。
経営を続けるためには経費削減は必要なことですが、過剰になりすぎると働いているスタッフ達のモチベーションも下がります。
結果、売り上げが下がり、また削減・・・。という負のスパイラルに陥る事もよくあるは話です。
長時間労働でも残業代が出ない職場が多い
飲食業では、実質的に残業代が出ない働き方がまだまだ残っています。
たとえば「固定残業代込み」の給与制度。
見た目は月給25万円でも、実際は40〜60時間分の残業代があらかじめ含まれていることが多いです。

額面の給料が多く見えても
時間単価にしたらアルバイトよりも低いなんて普通にあったからね。

まさに、やりがい搾取文化の弊害だよ。
その背景には「36協定(サブロク協定)」の存在があります。
36協定を結んでいれば、月45時間・年360時間までの残業が認められます。
(特別条項があればもっと多い場合もあり)

ただし、個人店ではそもそも雇用契約書や
36協定が存在しないケースも多いのが現状だよ。
契約を結んでいない個人店などの場合、本来は時間外労働を命じること自体が違法になりますが、現状では口約束で
「これ終わるまでヨロシクね」といった働き方が当たり前になっています。
また、タイムカードを切ったあとに仕込みや片付けをする「サービス残業」も少なくありません。
当時の私も「終わらないなら残ってやっていけ」と言う、暗黙のルールに疑問すら持ちませんでした。
終電ギリギリまで働くのが当たり前、当然その分の給料は出ませんでした。

働き方改革だって言っても
まだまだ、改善されない所はたくさんあるよね。
こうした環境では、働いた時間と給料のバランスが取れないため
「こんなに働いているのに…」と不満が募ります。
さらに休憩がとれずに長時間立ちっぱなしのことも多く、体力的にも精神的にも消耗してしまい離職につながります。
昇給・昇格の基準が不透明

労働時間が長くても
せめて給料が上がる未来さえ見えれば、頑張れた店もたくさんあったよ。

なにを目標に働けばいいかわからないと
やる気もなくなっちゃう。
飲食業では、昇給や昇格の基準が明確にされていない職場が多いのも特徴です。
「何年働けばいくら上がる」「どんなスキルを身につければ昇格できる」
といったルールが曖昧で、上司の主観や店舗の業績次第で左右されるケースも少なくありません。

酷いところだと、実力ではなくて
好き嫌いで給料を決めてた店もあったよ。

正当な評価がされないと、長くは続けられないでしょ。
責任は増える一方で、労働時間も長くなり、それでも給料は一般社員やアルバイトとあまり変わらない。
こうした環境では
・将来のキャリアが描きづらくなる。
・評価が不透明で不満がたまる。
・離職率が高くなる。
という悪循環が起こりやすくなります。
給料が低いとどうなる?放置するリスク
生活が苦しくなる
手取りが少ないと、家賃や光熱費や生活費でほとんど消えてしまい、貯金ができません。
食費は飲食業ならではの「まかない」があるので、節約できますが、突然の出費(病気・家電の故障・冠婚葬祭など)があると一気に苦しくなります。
普段からの仕事のストレスで、ギャンブルや、車、夜の街で浪費をする人をたくさん見てきました。

最悪の場合、借金やクレジットカードに頼っている人もいたよ。
将来への不安が募る
「このままで独立資金は貯められるのか?」
「家族は養っていけるのか?」
「老後は暮らしていけるのか?」といった不安が常に頭をよぎります。
就労後に、掛け持ちでバイトをしていた人もいました。
体力的にも無理して働いていたので、しばらくすると、体調を崩してしまいました。
結果、本業にも支障をきたして退職していきました。
金銭的な不安から将来の選択肢が狭まると、精神的な負担がどんどん大きくなります。

無理をして体を壊したら、もともこもないよ。
モチベーションが下がり、離職につながる
がむしゃらに仕事をしていた新人の頃とは違い、年齢を重ねごとに自分のポジションを冷静に判断します。
「このまま続けてても明るい未来が描けない。」
「どんなに頑張っても報われない」と感じると、やる気は消えて無くなります。
一度下がったモチベーションを取り戻すことは非常に難しく、常に不満を抱えたまま仕事をするようになります。

迷ってるうちに年を重ねると、再就職先も狭まる一方で
焦りもでてくるよね。
待遇改善のためにできること3ステップ
自分の労働条件を「見える化」する

改めて、自分の働いている環境を見直すところから始めてみよう。
まずは、自分がどれだけ働いてどれだけもらっているかをはっきりさせましょう。
・1か月の労働時間を計算する。
・給与を時給換算してみる。
・同業他社や求人サイトと比較してみる。
数字にすることで、「やっぱり低い」「意外と平均くらいかも」が客観的にわかります。
私も初めて他業種でバイトしたとき、時給1,250円で月30万超え。
労働時間も大幅に減ってるのに給料は格段に上がりました。
「今までどれだけ搾取されてたんだ…」と本気で衝撃を受けました。
現職で改善できることを交渉する

「どうせ無理」と思わないで
実際に伝えることで改善されるケースがあるよ。
給料や待遇の改善は、「どう伝えるか」で結果が変わります。
同業他社の給与水準を調べて交渉したり、売り上げに対して自分の貢献度を具体的に伝えます。
給与を大きく上げられなくても
労働時間を減らす=実質的な時給を上げる工夫ができます。
・仕込みの手順を見直して時間ロスを減らす
・シフトを見直して「回らない日」を改善する
・マニュアル化して、アルバイトでもできる範囲を広げる。
人件費削減だけでなく、効率化の提案は上司にとってもメリットがあります
チェーン店や企業の飲食店では、声が多く集まれば聞き入れてくれる事も多いです。
改善が見込めないなら転職や独立を視野に入れる
現職で交渉しても改善が見込めないなら、環境を変える決断をする時期かもしれません。
「辞める」というとネガティブに聞こえますが、長期的に見れば自分のキャリアを守るための前向きな選択です。
チェーン店・上場企業のメリット
飲食業=給料が低い、というわけではありません。
近年は人手不足の影響で、時給1,300円以上・社会保険完備・賞与ありといった好条件の店舗も確実に増えています。

私がバイトを始めた頃は、時給900円からが普通だったから
金額でいったらかなりアップしてるよね。
特にチェーン店や上場企業が運営する飲食店では、
・有給休暇の取得率
・残業代の支給ルール
・昇給・賞与の明確な基準
がしっかり整備されていることが多く、個人店よりも待遇が安定している傾向があります。
ジャンルによっても給料は変わる
同じ飲食業でも、業態によって給与水準は異なります。
自分の働きたい生活スタイルから選んでみる事も一つの方法です。
・居酒屋や深夜営業の店 → 深夜手当がつくため時給が高め。
・カフェやランチ営業中心の店 → 勤務時間は短いが時給は高目の傾向
・ブライダル系の店舗→時間進行が決まっているため時間単価が高め
「どのジャンルを選ぶか」で月収が大きく変わることもあります。
働く時間帯を変えるだけでも改善できる
同じ店でも、時間帯によって時給が変わることがあります。
シフトを組み直して高時給の時間帯を狙うだけでも、手取りが増えることがあります。
「選ぶ目」を持つだけで、飲食業はまだ稼げる
「飲食業は給料が低い」とひとくくりにせず、
- どんな業態か
- 運営元は個人店か企業か
- 時間帯やシフトはどうか
といった条件を見直すだけで、同じ仕事量でも収入を上げられる可能性があります。
まとめ|納得できる職場を選んで無理せず働く
飲食業は「給料が低い」「待遇が悪い」と言われがちですが
それはあなたの努力不足ではなく、業界の構造や職場の環境による部分も大きいです。
大切なことは
1.現状を見える化(労働時間・時給換算)
2.職場でできる改善を交渉(給与・シフト・休憩
3.環境を変える勇気を持つ(ジャンル・時間帯・運営母体の見直し
この3ステップを踏むことで、今より健全な働き方を選べる可能性が高まります。
「飲食業=低賃金」とあきらめる必要はありません。
条件を見直し、行動すれば、ちゃんと稼げて、やりがいのある働き方は必ず見つかります。

今日が人生で一番若い日だよ。
自分の未来のために動き出すなら、今がベストタイミング。

無理しないで。
ちゃんと休んで、元気に働ける場所を見つけよう
あなたが納得できる職場で、長く安心して働けるよう願っています。
今日からできる小さな一歩を踏み出してみてください。