

飲食店って、やっぱり人間関係が一番きついんだよなぁ…。

基本的に少人数の職場が多いからちょっとした空気間に左右されちゃうんだよね。
飲食店で働いていると、人間関係のストレスって避けられないですよね。
私も19歳で飲食業界に入ってから、アルバイト、社員、店長、料理長、そして小さな店を経営するまで、たくさんの現場を経験してきました。
楽しいこともありましたが、当然ながら辛く苦しい時期もありました。
「もう辞めたい」と思った事も数えきれない程です。
一番の原因は、人間関係のストレスでした。
上司と合わない、先輩と衝突する、同僚と比べられる…どの店でも似たような悩みをもつスタッフを見てきました。
なぜ飲食店では、人間関係がつらく感じやすいのか?
その理由と原因についてまとめてみました。
・飲食店での人間関係で悩む原因と対処法。
・自分の置かれてる状況の確認と向き合い方。
よくある悩み5つと、現場で効く対処のヒント
まず伝えたいのは、「人間関係で悩むのはあなただけじゃない」ということ。
むしろ飲食業界では、人間関係に悩むのが当たり前といってもいいくらい、距離が近く、逃げ場が少ない環境です。
この記事では、飲食店でよくある人間関係の悩みを5つ紹介しつつ、ストレスを減らすための3つ対処方を紹介します。
店長や先輩によって指示が違うときの対処法
飲食店では、店長や先輩によって「やり方」「こだわり」がバラバラなんて日常茶飯事です。
ある先輩には「こうして」と言われたのに、次のシフトでは別の先輩に「それ違う!」と叱られる…。そんな経験ありませんか?

『水から茹でろ』って教えられて、言われたとおりにしたら
翌日、別の先輩に『沸騰してから茹でろ!』って怒られたことあったよ。

うわぁ・・・それはきついね。
こんな状況って本当にしんどいですよね。でも、そこで落ち込む必要なんてありません。
やり方が違うのは自分のせいではなく、職場のルールが曖昧なだけです。
今後も同じ事が起きて、そのたびにストレスを抱えないよう対策することが大事です。
自分なりの基準を作っておくと、現場での迷いやストレスが少しずつ減ります。
・店長や責任者に確認して「どのやり方を優先するのか」をハッキリさせる。
・自分用にメモを残して、次回から迷わないようにする。
・場合によっては「昨日はこう教わったのですが、どちらが正しいですか?」と丁寧に質問して、軸を決める。
同期や同僚と比べられるときの考え方
飲食店で働いていると、どうしても
「同期のあの子はもう〇〇できる」
「△△さんは売上をもっと取ってる」
なんて、他人から比較されたり、自分で比べてしまったりします。
私も若い頃、同期が次々と新しいポジションを任されていく姿を、後で後輩と共に雑用をしながら見ていた苦い思い出があります。

自分だけ置いていかれてるんじゃないか…って思って
悔しくて帰り道に泣いたこともあったな。

どうせ比べるなら“過去の自分”と比べるのが一番いいよ、きっと成長してるからさ。
比べる相手を他人から自分に変えるだけで、プレッシャーが「成長のモチベーション」に変わります。
・「あの人はあの人、自分は自分」と切り分ける。
・比べるなら「過去の自分」、小さな成長を見つけて褒めてあげる。
・先輩に正直に相談してみる、思ってる以上に評価してくれている事もある。
後輩やアルバイトとの温度差がしんどいときの対応
飲食店は専門性がある仕事ですが、働く人の意識や目的は本当にバラバラ。
自分はこれだけ頑張っているのに、あの人はすぐにサボって嫌になる。
なんて事ありませんか?
高級店や専門店では意識の高いスタッフが多い一方
ほとんどの店ではフリーター、学生バイトやダブルワークの人など、多様な価値観を持った人が集まります。
もちろん、明らかに仕事に支障が出るような状況は注意が必要ですが、所詮は他人です。
自分の影響の外の事は変えようがありません。
立場や働く目的が違うことを前提に受け止めるだけでも少し心が軽くなります。

サボり気味だった子が、ある日ふと真剣に仕事し始めてきっかけを聞いたら
“みんなが頑張ってるのを見てやらなきゃと思った”って言ってた事あったな。
温度差はゼロにはできませんが、少しずつ歩み寄ることで、雰囲気が良くなり、やる気を出してくれるスタッフが増えることもあります。
・我慢せず、どうしても気になることはミーティングや面談で伝える。
・感情的になる前に、責任者や店長と共有して解決策を一緒に考え。。
・「全員を同じ温度にする」のではなく、まずは最低限守ってほしいルールだけを明確にする。
ピークタイムのピリピリ空気で衝突が起きるときの工夫
飲食店の忙しい時間帯、いわゆるピークタイムは戦場のよう。
オーダーが一気に入って、ホールも厨房もバタバタ。
普段は穏やかな人でも、つい声が荒くなったり、強い言葉が飛び交うこともあります。

ついつい感情的になってしまう事ってあるんだよね。

忙しいときほど“ありがとう”を口に出して言うと空気が変わるよ。
この時に起こる衝突は、相手を攻撃したいからではなく「なんとか回さなきゃ!」という責任感から起こるものです。
忙しさのピークを越えたら、冷静なタイミングで一言フォローを入れるだけでも、関係はぐっと良くなります。
誰かがフォローしてくれたら、その場で感謝を伝えるだけでチームの雰囲気が柔らかくなります。
忙しい時間帯こそ「仲間」として協力し合えると、衝突が減るだけでなくチーム力が高まります。
・ピークタイムは「スピード優先になりがち」と割り切る。
・落ち着いたあとで、きちんとフォローを伝える。
・事前に役割分担を明確にしておく。
お客様トラブルやクレーム対応で心を守る方法
飲食店で働いていると、お客様からのクレームや無理な要求は避けて通れません。
理不尽なクレームを言われたり、酔ったお客様に絡まれたり。
こちらがどれだけ丁寧に接客しても不機嫌な態度を取られることもあります。

こちらに全く非がないのに、許してほしかったら土下座しろ!
なんて怒鳴られた事あったよ。
どんなに頑張っても、すべてのお客様を満足させるのは不可能です。
接客に疲れたときは「すべての人に完璧に応える必要はない」と割り切ることが大切。
お客様対応は飲食店ならではのやりがいでもあり、同時に一番のストレス源にもなります。
「嫌だな」と思った気持ちを無理に溜めずに、ちゃんと吐き出して次につなげる習慣を持つと、少しずつ心が楽になります。
・理不尽なクレームは、感情的にならずに「事実だけ」を伝える。
・必要以上に一人で抱え込まず、店長や同僚に引き継ぐ。
・あまりにも態度の悪い人は話し合って出禁を検討する。
人間関係のストレスをやわらげる3つのステップ
気持ちを整理する(事実と感情を分ける)
飲食店で働いていると、失敗して注意や指摘を受ける事なんて当たり前に起こる事です。
なのでそれを
「怒られた=自分はダメだ」と思い込んでしまう必要なんて全くありません。

シェフに注意されるたび“自分は向いてないんじゃないか…”っていつも本気で落ち込んでたよ。
ここで大事なのは、事実と感情を切り分けることです。
「怒られた」という事実と、「自分はダメ人間だ」という感情は別のもの。
「何が問題だったのか」
「次はどうすればいいのか」にフォーカスすると、建設的な思考に切り替わります。
例えばノートやスマホにメモをして言語化してみると見えてくることがあります。
・そのときの気持ち
・言われた言葉
・改善できる行動

感情を書き出すだけでもスッキリするよ。
モヤモヤを言語化するってすごく大事。
こうして気持ちを整理していくと、「指摘された=自分を否定された」ではなく
「仕事をよくするヒントをもらった」と前向きにとらえられるようになります。
距離をとる・頼れる人に相談する
人間関係のストレスは、溜め込むほど大きくなります。
「この人と合わないな…」と感じたら、無理に近づきすぎず、心の距離を保つことも大切です。

どうしても苦手なスタッフと同じシフトになると、朝から胃が痛くなってたんだよね
物理的に距離をとることが難しい職場では
・仕事以外の話は必要以上にしない。
・休憩時間は少し離れた場所で過ごす。
・無理に避けることは逆にストレスになるので、ある程度は受け入れる。
など、気持ちが休まるスペースを作ることが大事です。
できれば、信頼できる同僚や店長、別の店舗の先輩に相談するのもおすすめです。

「仕事に厳しいだけで、実は優しい人なんだよ」なんて事もあったりするからね。
話すだけでも気持ちが軽くなるし、同じ経験をした人から具体的なアドバイスをもらえる事もあります。
一人で抱え込むと、どんどん自分を責めてしまう場合もあります。
距離をとる&相談する、この二つを優先して、まずは心の負担を半分にすることが大切です。
環境を調整する(小さな変更→異動・転職の検討)
人間関係のストレスが続くと、「もう辞めるしかないのかな」と思ってしまいますが、その前にできることもあります。
まずは、自分で調整できる小さな部分から変えてみましょう。
・シフトを変えて苦手な人と被る時間を減らす
・役割分担を見直してもらう
・他店舗の勤務に変えてもらう。

キッチンからホールに一時的にポジションを変えてもらったら、職場の雰囲気も人間関係もガラッと変わったことがあったよ。
こうした小さな変化でも、気持ちが楽になることがあります。
ただ、環境的にどうしようもない場合もあります。
もし改善が見られない場合は、思い切って異動や転職を検討するのも一つの方法です。

お店を変えると、今までの苦労はなんだったの?って思うほど
人間関係が楽になることもあるよ。
同じ業界でも、雰囲気が合う店に出会えると別世界にきた気分になれます。
環境を変えることは決して逃げではありません。
1日の大半を過す場所なんですから、良い環境を求める事はとても前向きな選択です。
今の店が合わないなら、新しい場所で自分にあった場所を探すことをおススメします。
働く場所はいくらでもあるんですから。
まとめ|人間関係は「慣れ」と「調整」で楽になる
飲食店は少人数で動くからこそ、人間関係のストレスが大きくなりやすい職場です。
店長や先輩によって指示が違ったり
同期や後輩との関係に悩んだり、毎日のちょっとしたストレスが積み重なって「もう無理だ」と思ってしまうこともあります。

悩んでる時って、自分だけが苦しいんじゃないかって思うけど、そんなことない。
みんなが通る道だよ。
大切なことは、ひとりで抱え込まずに行動することです。
気持ちを整理して、距離をとって休んだり、環境を調整したり。
少しずつでいいから、自分の心が楽になる方向へ動いてみてください。

お店を変えることだって立派な選択肢。
もっと自分が輝ける場所は必ずあるから。
最後にもう一度
人間関係の悩みは、あなたが弱いから起きているわけではありません。
お店は、いわば小さな村のようなもの。
そこには先にいた人たちが作った独自のルールや空気があって、最初から完璧に馴染める人なんてほとんどいません。
だから、うまくいかない時は「自分がダメだから」ではなく、「この村にまだ慣れていないだけ」と思ってください。
少しずつ、自分なりにできることから試していけば、今よりずっと居心地が良くなるはずです。
それでもどうしても合わなければ、村を引っ越すのもひとつの選択肢。
新しい環境で、もっと自分らしく働ける場所を見つけましょう。