
人生の主人公に戻る。終
家庭内別居3年。
言葉も目線も交わさず、ただ同じ屋根の下にいただけの日々。
やがて家に帰らなくなった。
職場のソファーは硬くて体が痛む。寝返りもうてない。
背中の痛みで目覚めることもあった。
それでも、“家にいるよりマシ”だった。
あの”物置部屋”
そこには、布団とわずかな衣服があるだけ。
クーラーは無い、唯一の扇風機は、ある日気づいたら持っていかれていた。
理由は——聞こうと思えば聞けたのかもしれない。
でも、もう無理だった。